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染五郎が語る「二月花形歌舞伎」

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 来年2月4日(水)初日の博多座 「二月花形歌舞伎」に出演する市川染五郎が、『伊達の十役』と公演への思いを語りました。

待ちかねた再演を博多座で
 10年以上、憧れ続けてきた『伊達の十役』を今年の5月に初めて演じ、1年を待たずに博多座で再演となった染五郎は、「舞台機構としては日本で一番、ハイテクな劇場だと僕は思っています。猿翁のおじ様もやっていない博多座で、初めて上演する『伊達の十役』。この作品で博多座で勝負…、準備万端で乗り込みます」と、芸どころ博多での公演に向けて強い決意を語りました。

 初演した明治座の千穐楽では「終わってほしくない、明日もやりたい」と願ったと言い、今回、「まずはドラマとしてきっちり役を演じ分けることを徹底する」と目標を掲げました。次に、「澤瀉屋ご一門の方々に教えていただいた、早替りの技術のレベルの高さに圧倒されましたので、それも磨いていきたい」と続け、「猿翁のおじ様の記録映像を見直し、冷静に自分を見直して一つひとつ検証していく」と再演に向け、さらなる高みを目指すことを誓いました。

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初演の初日を見た猿翁からの手紙。「染五郎さんへ 感泣!!! 二代猿翁 2014.5.3」

猿翁からの手紙
 記者会見が行われたのは12月9日で、「猿翁のおじ様のお誕生日にこうして公演の発表をさせていただくのも、何かの因縁では」と、染五郎。猿翁が特別な存在であることをうかがわせ、「おじ様の許可をいただいいたので」と断りを入れて、明治座の初日を見た猿翁からの手紙を披露しました。「楽屋に飾って力をいただいていました。もちろん、博多座にも持っていきます。おじ様の歌舞伎への魂、情熱、なんとか体現できればと思います」。

 猿翁自身が自分がつくった中で一番大変だと言う『伊達の十役』は、ほぼ舞台に出ずっぱり、しかも今回は昼夜2回公演もあります。しかし、染五郎は「劇場が大きくなる分、(早替りで)裏を走る距離が増えますね」と言う顔もうれしそう。「どれだけエネルギーを蓄え、発散できるかが、芝居のキーになると思います」と真剣な眼差しを見せたあとは、「いかに博多のおいしいものを食べるかにかかってきますね」と、会場を沸かせました。

十役それぞれへの思い
 『伊達の十役』を目標に女方の勉強をしてきたと語っていた染五郎ですが、「政岡をやれるから、この芝居は魅力的なんだと強く感じました。苦しくてつらい役ですが、こんな素晴らしいお役はないと思って演じています」と、実際に演じていっそう思いが高まった様子。高麗屋の紋が入った扮装の仁木弾正に特別な思いを寄せるのはもちろんですが、気になるのは「床下」にだけ登場する荒獅子男之助と言います。

 「複雑な仕掛けをしないと着られない、十役で一番ややこしい拵えをして、あれだけ偉そうに出てくるのに、一巻を取られて幕。この人となりに焦点を当てた芝居を書いてみたいと思いますね」。『伊達の十役』という傑作を経験することで、新作歌舞伎の創作意欲もさらに増したようです。

 『伊達の十役』を初めて勤めた5月、「歌舞伎が好き、お芝居が好き、ということを再び口に出せるようになった」と、この作品が確実に一つの転機となったことを明かした染五郎。その作品に「再び出会うことができる、それがうれしい。体力的に大変ですが、どれだけ疲れられるか、初演の何倍の疲れを感じることができるかが、2月のテーマです」と、最後に公演にかける思いの強さを見せました。

 博多座「二月花形歌舞伎」は、2015年2月4日(水)~26日(木)の公演。チケットは、博多座電話予約センター、 博多座オンラインチケットにて、12月13日(土)より販売開始です。

 なお、2月3日(火)には、お練りと節分豆まき、14日(土)にはバレンタインイベントも開催予定。詳細は追ってニュースでお知らせします。

※澤瀉屋の「瀉」のつくりは正しくは“わかんむり”です。

2014年12月10日

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