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南座「吉例顔見世興行」まねき書きで大入り願う

南座「吉例顔見世興行」まねき書きで大入り願う

 

 11月6日(土)、京都市内の妙傳寺にて、京の年中行事「當る寅歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」に向けて、恒例の「まねき書き」が行われました。

 「芝居国の正月」ともいわれる南座の顔見世興行で掲げられる「まねき」。顔見世興行の期間中、南座の正面を賑やかに彩り、京の師走の風物詩として親しまれています。江戸時代、劇場前を種々の文字や絵を使って飾り立てることが芝居の主要な宣伝方法とされ、その看板類の一種に「まねき看板」があります。看板上部に庵形をつけたものに、勘亭流で俳優の名前を記し、上部をその俳優の紋で飾ります。

 

南座「吉例顔見世興行」まねき書きで大入り願う

 

 揮毫は、今年で8年目となる勘亭流書家の井上玉清(本名:優)さん。客席がすき間なく埋まるようにと願いが込められた独特の書体「勘亭流」の文字で、まねき板いっぱいに出演俳優の名前を書き入れます。井上さんは「今年もこの日が迎えられてほっとしています」と、興行が行われることの喜びを語り、「たくさんのお客様にお越しいただき、無事に千穐楽を迎えられるよう思いを込めて書きました。まねきや歌舞伎を見て、明るい気持ちになっていただけたらうれしいです」と続け、筆に込めた思いを述べました。

 

 今年も感染予防対策として、2演目三部制興行での上演となる顔見世興行。第一部は坂田藤十郎三回忌追善狂言と銘打ち、舞踊『晒三番叟』と、藤十郎が1400回以上お初を勤めた『曽根崎心中』、第二部は河竹黙阿弥の七五調が心地良い『三人吉三』と、ユーモアあふれる松羽目物の名作『身替座禅』。そして第三部は上方ゆかりの『雁のたより』と、鮮やかな早替りが魅力の『蜘蛛絲梓弦』をお届けします。多彩な狂言立てによる歌舞伎の祭典を、今年もお楽しみください。

 京の年中行事「當る寅歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」は12月2日(木)から23日(木)までの公演。チケットは11月10日(水)から、チケットWeb松竹チケットホン松竹で発売予定です。

南座「吉例顔見世興行」まねき書きで大入り願う

 

2021/11/08