2024年1月6日（土）に新橋演舞場で開幕した「初春歌舞伎公演」『平家女護嶋 恩愛麻絲央源平 ―SANEMORI PARTII―』の初日を前に、出演の市川團十郎、市川ぼたん、市川新之助が意気込みを語りました。

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　今回上演される『平家女護嶋』は、「近松門左衛門歿後三百年」と銘打ち、近松門左衛門の作品に新たな解釈と演出を取り入れ練り直したもの。乱世にありながら自らの運命を切り拓こうとする人々の強さと家族の情愛を描きます。今も『俊寛』として上演され人気を集める「鬼界ヶ島の場」や、歌舞伎では200年以上前に上演されて以来となる「朱雀御所の場」など、みどころも多く、注目を集めています。

親子の絆を描く物語

　團十郎は、「以前より（補綴・演出の）石川耕士さんから、今のうちにしかできないこの作品をぜひ一度、というお話をいただいていました」と、上演のきっかけを振り返ります。「子どもたちがこれ以上大きくなったらもうできなくなってしまう、ここしかないタイミングです。この子たちとこの作品を演じるのは最初で最後になるかもしれません」と、感慨深く話しました。

　ぼたん、新之助のせりふも多い本作。ぼたんは、「最後に花道で、一人で言うせりふが特に印象的です」と、率直な感想を明かしました。女童と牛若丸を演じ分け、立廻りも勤める新之助は、「（せりふを覚えるのは）そこまで大変ではありませんでした」と、頼もしく答えます。そんな二人について團十郎は、「すくすくと、のびのびと、しっかりと成長している。親としてできる限りのことを最大限するのみです」と、目を細めました。

今年も舞台に立つ決意を

　團十郎は10年以上にわたり、新橋演舞場でお正月公演を迎えています。「この新橋演舞場でお正月を迎えることは、私にとって年中行事の一つです。10年以上続いていてもそれに慣れることなく、新しい気持ちで舞台に立ちたい。その決意を固める、新年最初の公演ですので、大事に舞台に向かいたいと思えるお正月です」と、年明けの公演を新橋演舞場で勤める心境を語ります。

　最後に改めて團十郎が、「家族、一門、歌舞伎の仲間たち、裏方さんたちと一緒に、一所懸命勤めます。古典の部分もあり、早替りもあり、新しい挑戦もある、家族を題材とした演目で、心に残るような作品に仕上がっているのではないかと思います。ぜひお時間がございましたら新橋演舞場へお越しください」と、温かい口調で呼びかけ、締めくくりました。

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　新橋演舞場「初春歌舞伎公演」は25日（木）までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。