みどころ


歌舞伎座

歌舞伎座百二十年

十二月大歌舞伎

平成20年12月2日(火)~26日(金)


昼の部

一、新歌舞伎十八番の内 高時(たかとき)

 執権北条高時(梅玉)は、長崎次郎(錦吾)に自らの愛犬を殺害した安達三郎(松江)の処刑を命じますが、三郎のこの振舞は高時の犬に襲われた母の渚(歌江)を救うためでした。大佛陸奥守(東蔵)は人の命より獣の命を尊ぶ高時を諌めますが、聞き入れられません。
 しかし秋田入道(彦三郎)が、今日が二代執権義時の忌日であることを訴えると、高時もその処罰を諦めるのでした。そして高時は、衣笠(魁春)の舞を眺めて気を紛らわしますが、ここへ大勢の田楽法師たちが現れて、舞い踊るうちに高時に襲いかかり...。
 活歴狂言の代表作を清新な顔ぶれで上演します。


二、京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)

 鐘供養が執り行われている道成寺に、花子(三津五郎)と名乗る白拍子が現れて、新造された撞鐘を拝観したいと望みます。すると所化(秀調・右之助・高麗蔵・市蔵・松江・男女蔵・宗之助・巳之助)たちは、女人禁制ではあるものの、舞を奉納するのであればと入山を許すのでした。やがて白拍子は厳かに舞い始め、次々と踊りを披露していきます。
 道行で常磐津を用いるのは坂東流ならではのもので、今回の話題のひとつとなっています。歌舞伎舞踊の大作をお楽しみ下さい。


三、東山桜荘子 佐倉義民伝(さくらぎみんでん)

 下総佐倉の名主である木内宗吾(幸四郎)は、厳しい年貢の取立てを止めて貰おうと、領主の江戸屋敷に赴きますが、その願いは聞き届けられず、将軍への直訴を決意します。
 この覚悟を知った渡し守の甚兵衛(段四郎)は、役人たちの命に背いて舟を出し、宗吾が家に戻れるよう計らいます。そして宗吾は、妻のおさん(福助)や我が子たちと最後の対面を果たしますが、これを見とがめた悪人の幻の長吉(三津五郎)が、宗吾を訴人すると脅します。
 しかし運良くこの難儀を逃れた宗吾は、降りしきる雪の中、おさんと我が子たちを振り切って江戸へ向かいます。寛永寺で将軍徳川家綱(染五郎)に宗吾が直訴に及ぶと、老中の松平伊豆守(彌十郎)は、その訴状を受け取り、宗吾たちの窮状が家綱に知らされるのでした。
 三世瀬川如皐の名作を華やかな顔ぶれで上演する注目の舞台です。


夜の部

一、名鷹誉石切(なもたかしほまれのいしきり)

 鶴ヶ岡八幡宮に参詣した梶原平三(富十郎)は、大庭三郎(梅玉)、俣野五郎(染五郎)兄弟から、ある刀の目利きを求められ、これが大変な名刀であることをふたりに告げます。
 一方、娘の梢(魁春)のために、刀を金にしたい六郎太夫(段四郎)は、この刀でふたりの人間を重ねて斬ることができると言上します。そこで囚人を使って試し斬りをしようとしますが、奴の鷹平(鷹之資)が手紙を持って駆け付けてきます。その手紙には、源頼朝が挙兵した旨が記されていたので、あたりは騒然としますが、梶原方の大名(松江・男女蔵・巳之助)たちがこれを宥め、試し斬りを続けさせます。
 しかし獄屋にいる囚人は呑助(家橘)ばかりで、人数が足りません。すると六郎太夫は、梢をわざと家に帰らせて、自らがその役をかって出ます。こうして梶原が試し斬りをしますが、斬れたのは呑助だけで、六郎太夫まで斬ることは叶いませんでした。これを見た大庭兄弟は、刀が鈍だと馬鹿にして立ち去って行きますが、梶原は意外な事実を口にします。  名刀の奇瑞を描いた華やかな義太夫狂言をご覧下さい。


二、高坏(たかつき)

 次郎冠者(染五郎)は、主人の大名某(友右衛門)と太郎冠者(高麗蔵)と共に花見に出かけ、高坏を買ってくるように命じられます。ところが、高足売り(彌十郎)の口車に乗せられ、次郎冠者は高足を高坏と思い込んで買ってしまい...。
 高足を履いて賑やかに踊る名作舞踊をお楽しみ頂きます。


三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)

 上州の絹商人である佐野次郎左衛門(幸四郎)は、吉原で安く遊ばせるからと騙されて、下男の治六(段四郎)と共に仲之町へやって来ます。この危難を立花屋長兵衛(彦三郎)に救われ、次郎左衛門は帰ろうとしますが、兵庫屋八ツ橋(福助)の花魁道中を見て魂を奪われます。
 こうして次郎左衛門は、八ツ橋のもとへ通い詰めますが、八ツ橋の親代わりである釣鐘の権八(市蔵)は良い金蔓が出来たと、立花屋のおきつ(魁春)を通じて、たびたび金策を願い出ます。しかしついにおきつはこれを断るので、権八は八ツ橋の間夫の繁山栄之丞(染五郎)を焚き付けます。そして栄之丞は八ツ橋に次郎左衛門との縁切りを迫るのでした。
 一方、何も知らない次郎左衛門は、八ツ橋を身請けするつもりで、同業の丹兵衛(錦吾)と共に吉原へやって来て、遣手のお辰(鐵之助)の手配で、九重(東蔵)や七越(高麗蔵)、初菊(児太郎)を座敷に呼んで騒ぎますが、突然、八ツ橋に縁切りをされて恥をかかされます。次郎左衛門はうちひしがれて宿へと帰って行きますが...。
 廓の風情を巧みに描いた世話物の名作を豪華配役で上演します。

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