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「明治座 十一月花形歌舞伎」初日開幕

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 11月1日、「明治座 十一月花形歌舞伎」が初日を迎え、開幕前に出演者が顔をそろえて意気込みを話しました。

 昼の部で『瞼の母』に出演する中村獅童は、「初演がこの明治座(昭和6年3月)と聞いて、感慨深いものがありますね」と、自身が明治座初登場とあって思い入れもひとしおのようでした。同じく初めて明治座の舞台に立つ尾上松也も、「重みがあり、歴史の感じられる劇場に立たせていただいてありがたい」と話し、一人で踊る『供奴』に「今からすごく緊張しています」と、顔を引き締めました。

 夜の部の『権三と助十』は、江戸の長屋の井戸替えから始まる世話物。家主六郎兵衛を勤める市川右近が「めちゃくちゃよくしゃべる大家で、狂言回しの役だから大変なのですが、明治座自体が江戸情緒豊かな浜町にあり、また、明治座のお客様はとても温かいので、楽しんでいただけると思います」と話し、三代目猿之助とともに長年、明治座出演を重ねてきた貫録を見せました。

 市川笑也にとっても、明治座はとても親しみのある劇場。その笑也は珍しく長屋の女房役で、大勢の若い俳優たちと『権三と助十』に出演します。芝居の中では井戸替えをさぼって家主に叱られていますが、「短い稽古日数で、よくぞここまで...。とにかく頑張ります」と、稽古では若手とともに積極的に花形歌舞伎を盛り上げようとしている様子がうかがえました。

 「全体のアンサンブルが大切。助け合いながらやっていきたい」と獅童が語ったように、『権三と助十』に限らず、出演者が一丸となって公演に取り組む姿勢が見られる会見となりました。

2013/11/01