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猿之助が京都芸術劇場春秋座の芸術監督に就任

市川猿之助

 5月1日(水)、市川猿之助が京都造形大学内の京都芸術劇場 春秋座の芸術監督に就任します。

京都文芸復興の拠点としての春秋座
 春秋座は三代目猿之助(現 猿翁)が同大学の副学長だった平成13(2001)年5月、日本初の大学内の本格的な劇場として柿落とし興行を行いました。創設以来、体調が思わしくなかった期間を除き猿翁が芸術監督を務めてきました。

 「三代目猿之助が魂を注いだ劇場」(尾池和夫学長)で、歌舞伎上演を想定したつくりとなっており、廻り舞台やセリ、花道の設置はもちろんのこと、スッポンは「ちゃんちきのセリ」と呼ばれる、2つのセリからなっています。また、緞帳以外に63本あるバトン(幕などや装置を吊るすバー)は、スピードアップを図るために手引きにしています。

 当代猿之助も柿落としでは亀治郎の名前で『春秋三番叟』に三番叟で出演、「第一回亀治郎の会」(2002年8月)ほか計5回の自主公演を開催するなど以前より関係がありましたが、今回は猿翁からの「たってのお願い」ということで、芸術監督を引き継ぎます。猿翁からは「本人のやりたいように春秋座を大きく盛り上げていってほしい」とのコメントも出され、「やりたいようにやれは、猿之助の精神ですから」と、新芸術監督として応えていました。

市川猿之助

新芸術監督として
 「教壇で教えるのではなく、僕の舞台活動を見て触発されて欲しい。表現者としての姿勢を見て学んで欲しい。それがこの大学らしいのでは。演劇以外を学んでいる学生も、ジャンルの違う中で刺激を受けて欲しいですね」と語り、「自由なコラボレーションをして、面白いと思ったものをひろいあげ、思いもつかないような発想をする学生を発掘したい」と、芸術監督の姿勢を話しました。

 「僕ができることと言ったら、有名人を呼んで劇場をアピールすること」と、3日(金・祝)にはさっそく、「Team申 番外公演III~今、僕らが出来ること~朗読劇『お文の影・野槌の墓』」を、佐々木蔵之介、佐藤隆太との共演で上演(チケットは完売)。以降のプログラムが期待されます。「歌舞伎の機構をうまく使った現代劇、コンサートなどが面白いですね」。

 そして、年末には顔見世披露興行となる「吉例顔見世興行」に合わせ、春秋座で「猿之助への軌跡展」を開催して劇場の足跡をたどり、本人の言うとおりまさに、「京都の年末は猿之助一色」。歌舞伎とともに、新芸術監督としての新たな展開にもぜひ、ご注目ください。

2013/04/30