玉三郎舞台あいさつ シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」

玉三郎舞台あいさつ シネマ歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」

 6月23日(月)、梅田ピカデリーにて、坂東玉三郎さんによる舞台あいさつが行われました。シネマ歌舞伎では初めての舞台あいさつが大阪で行われるということで、チケットはすべて完売、場内も多いに盛り上がりました。

この「ふるあめりかに袖はぬらさじ」はもう長く演じていらっしゃいますね。―――
坂東玉三郎―――
 はい。1988年に中日劇場で初めて演じて、今回で9度目になります。そして、歌舞伎座では初めての上演となりました。


この作品と出会うきっかけは何だったのでしょうか?―――
 国立劇場で杉村春子さんのお芝居の上演がありまして、その演目の一つだったんです。「華岡青洲の妻」も上演されて、そちらの方が話題になったのですが、私は「ふるあめりかに袖はぬらさじ」に感動しました。まさか自分が演じることになるなんて、その時は思いもしなかったですね。


20年という長い間演じていらっしゃいますが、その間に何か変わったことなどありましたか?―――
 最初に演じた時はまだ若かったのですが、今はお園の年齢にも近づいてきまして、だんだん演じやすくなってきました。


シネマ歌舞伎は、歌舞伎座の臨場感を味わえるということで好評ですが、玉三郎さんから見て、どんな所が良いと思いますか?―――
 歌舞伎座は大きな劇場なので、なかなか近くでは見られないところもあるのですが、シネマ歌舞伎だと、切り取ってアップで見られるというところが良いところですね。見たいところにカメラが入っていきますから。有吉先生の戯曲の世界に入っていけるのがカット割りのいいところで、舞台でだと見逃してしまうところもきちんと追っていけますね。また、ライブをそのまま撮影しているので、観客の笑い声なども入っていて、一緒になって笑えるのも良いところだと思います。


喜劇なので、楽しんで見られますね。―――
 いわば、シリアスな喜劇とでもいいましょうか。こういう喜劇は、日本には少ないですね。人生をうまく描いていて、そして笑えるという。そういう喜劇をやりたいと思っていたので嬉しかったですね。私には「鷺娘」などのイメージがあるかもしれませんけど、この「ふるあめりか」のお園はかなり地に近いんです。


お客さんへ一言メッセージをお願いします。―――
 歌舞伎の戯曲は、男性が書いたものがほとんどで、有吉先生のように女性が書いた戯曲というのはまれなので、そこを見ていただきたいですね。楽しくて哀しくて、愛情がいっぱい溢れた作品です。そして、人生には解決しないことがあるという女性ならではの人生観というのが、お園を通して描かれていると思いますので、ぜひそこを見て下さい。今日はどうもありがとうございました。

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2008/06/24