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三津五郎が第54回毎日芸術賞を受賞
1月22日(火)、東京プリンスホテルにて「第54回毎日芸術賞(2012年度)」の贈呈式が行われ、演劇・邦舞部門の受賞者として坂東三津五郎が出席しました。
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毎日芸術賞は「あらゆる芸術分野を対象に、特に優れた成果を上げた個人・団体に贈る賞」として、毎日新聞社が顕彰するものです。昭和34(1959)年の第1回受賞者には八世松本幸四郎(初世白鸚)も名を連ねています。
今回、三津五郎は昨年の『金閣寺』(1月新橋演舞場)の松永大膳、『芭蕉通夜舟』松尾芭蕉(8~9月紀伊國屋サザンシアターほか)、『塩原多助一代記』の多助と道連れ小平の二役(10月国立劇場)が、受賞理由となりました。
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三津五郎の受賞挨拶由緒と歴史のある毎日芸術賞を頂戴できましたこと、本当にうれしく、心から感謝申し上げます。
今回、受賞の対象となりました私の舞台が、一つは純然たる古典の大歌舞伎の役、一つが井上ひさしさんの現代劇、もう一つは、80年ぶりの復活となる人情噺の通し狂言、それぞれジャンルの異なる3つのタイプの舞台を評価していただけたということが、一役者としてしまして、大変うれしく感じているところでございます。
昨年は私が初舞台を踏んで50年、節目の年でございました。その年に受賞できたこと、その50年前、第4回(1962年度)の毎日芸術賞を祖父、八代目三津五郎が受賞して、50年目に孫の私が頂戴できるということ。それから、私が受け継ぎました井上さんの作品『芭蕉通夜舟』初演の、小沢昭一さんがお亡くなりになられたこと...。
そして、私の50年来の盟友でございました中村勘三郎が昨年末にみまかりました。本当に残念で、悲しい気持ちだったのですが、この賞をいただけたことで、少しは光が射して、前を向こうという気になったのです。が、今日、私が晴れがましいこの賞をいただけるこの日が、彼の四十九日なのでございます。
そうした諸々を考えますと、今回の受賞はたんに私の仕事を評価していただいたということでなく、もっと広い意味をもつ、4月の歌舞伎座開場に向けても大きな励ましのお言葉だったのではないかと思っております。そのご期待に沿うべくこれからも精進してまいります。どうもありがとうございました。