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月乃助出演、『お嬢さん乾杯』を出演者が語る
2013年1月2日(水)、東京 三越劇場で幕を開ける 初春新派公演『お嬢さん乾杯』。市川月乃助が出演するこの舞台のチケット発売を前に、出演者らが公演への思いを語りました。
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木下惠介監督×新藤兼人脚本作品を舞台化
映画監督、木下惠介生誕百年を記念して、舞台でも木下作品の上演をと取り上げられたのが『お嬢さん乾杯』です。今年5月に亡くなった新藤兼人の映画脚本の雰囲気そのままに、2幕構成で初舞台化。月乃助は、身分違いの恋に落ちる成金実業家の石津圭三役で、没落華族との結婚騒動を描くこの上質なコメディー作品に挑戦します。
大船撮影所で木下監督に出会ったことがあるという水谷八重子は、「山田洋次監督と『麥秋』をやってきて、新派に新しい"昭和の宝"をいただいた気がしていました。この作品もその宝の一つとして残ってくれたら」と、上演への期待を込めました。父の十七世勘三郎が大の木下監督ファンで、出演作の撮影現場へ遊びに行ったこともあるという波乃久里子は、「正月に三越劇場の舞台に座員とともに立てるのがうれしい。そして、若手がよくここまで伸びてくれました」と、新派劇団への深い感慨を語りました。
4度目の新派作品への出演
三越劇場で昨年1月の『日本橋』、今年10月の『葛西橋』に出演、さらに11月の南座、博多座『滝の白糸』に続き、4本目の新派作品に挑むことになる月乃助。「『日本橋』で久里子さんと初めて共演させていただき、充実した1カ月を過ごしました。八重子さんとは今回が初共演なので楽しみです」と言うと、波乃が「月乃助さんは力強い助っ人。(共演の)1カ月はとても楽しかった。ぜひ新派の劇団員にと、何度お願いしたことか」と称賛。
水谷が、現代劇に出演した月乃助を見て「歌舞伎の"か"の字も感じさせず、演じた役の人そのものだった。その印象が強烈。二人で翻訳劇もやってみたい」と、月乃助の俳優としての魅力を話すと、新派作品以外にも共演の経験がある瀬戸摩純は「温和だけれど、舞台では内に秘めたエネルギーで大きく変化する人」と述べ、ともに今回の共演を喜んでいる様子がうかがえました。
新派125周年の節目の年
芝居の前の「口上」は、来年が新派の創始125年となることを記念しての一幕。記念の年を迎えるに当たり、「新派古典だけでなく、新作つまり昭和の戦後という時代の新派作品もレパートリーに増やしていきたい」と言うのは水谷。瀬戸は、「次の130年、150年に向け、座員が一丸となって使命、責任を果たしたい」と力強く話し、月乃助も「出演は光栄のひと言。少しでも力になれるように参加させていただきたい」と、節目の公演に出演する意気込みを語りました。
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