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三津五郎 道成寺で成功祈願
歌舞伎座「十二月大歌舞伎」で『京鹿子娘道成寺』に出演する坂東三津五郎が、11月13日(木)和歌山県日高川町の道成寺を訪れ、成功祈願を行いました。
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快晴の秋空のもと、笹朝一町長をはじめ、大勢の参拝客が歓迎する中、初めて道成寺を訪れた三津五郎は、
「本日はこのように温かく歓迎していただき、大変嬉しく思います。日本舞踊や歌舞伎の世界には“道成寺もの”というジャンルがある程、ここ道成寺を題材とした舞踊はたくさんございます。歌舞伎役者としても坂東流家元としても、ここ道成寺は、ぜひ訪れたいと思っていた一つの聖地でございました。
今日このように皆様にご歓迎いただいた事、そしてこの土地に立った感激を胸に、良い舞台を勤めたいと思っております。」と挨拶。
境内で成功祈願を行った後、
「『京鹿子娘道成寺』は、とても有名な演目で、通常「道行」は義太夫で行われていますが、今回の「道行」は坂東流に残る常磐津で勤めます。衣裳も最近は黒を着ることが多いのですが、今回は元来の赤に戻しています。“赤い衣裳”で“常磐津の道行”というのが今回の一つ大きな見どころです。
道成寺は女方の役者にとりましても大曲で、歌舞伎座で勤めさせていただくのは数多くある事ではございません。それを、普段は立役を勤めている私に機会を与えて下さって本当にありがたいと思っています。歌舞伎座で道成寺を踊れる幸せをかみしめながら、良い舞台を勤めたいと思っています。
この場所に立ち、その土地を眺め、空気を吸うことで、自分の想像だけではない、揺るぎのないものが心の中に生まれてくる気がしています。そして、この山深い人里離れた道成寺の物語が、テレビも無い時代に、全国に伝播して有名な狂言になり、さらには、能・歌舞伎にとり難曲・大曲といわれる作品にまでのぼり詰めていくことになった、芸能の歴史の重さと面白みを、ここに来て改めて感じることが出来ました。」と思いを語りました。
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