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雀右衛門が『京鹿子娘道成寺』ゆかりの寺で祈願法要
9月5日(月)、京都 妙満寺で、先斗町歌舞練場「當る酉歳 吉例顔見世興行」の第三部『京鹿子娘道成寺』において白拍子花子を勤める中村雀右衛門が、円成祈願法要を行いました。
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11月30日(水)に初日を迎える「吉例顔見世興行」は今年、五代目中村雀右衛門襲名披露として、先斗町歌舞練場にて行われます。襲名披露狂言の一つとして雀右衛門が本興行において初役で勤めるのが、『京鹿子娘道成寺』の白拍子花子。妙満寺は、紀州道成寺の安珍清姫伝説で、清姫の怨念がこもった鐘が、後年、怨念解脱のために納められた寺で、芸の上達を願う参拝者が数多く訪れ、春には鐘供養も行われます。
その霊鐘を目の当たりにした雀右衛門は、「実に思いのこもった鐘だと感じました。『道成寺』は女方にとりまして大切な舞踊ということは重々知っておりますが、本当にすごいことをさせていただくんだなとあらためて思いました。心が一段と引き締まる思いです。12月の興行の成功を祈るとともに、12月に向け身体を整えていきたいと、心持ちも新たに決意いたしました」と、清々しい笑顔で語りました。
父、四世雀右衛門が『豊後道成寺』をはじめ、生涯をかけひときわ熱い思いを込めて勤めていた『道成寺』。9月終わりに行われる舞踊の宗家藤間流「藤間会」でも、藤間亀三郎として『現在道成寺』を踊るため、「年内に二つの『道成寺』を踊ることもありがたい。五代目もいいなと思っていただけるように勤めたい」と、四世に負けない情熱を感じさせる言葉で語りました。
『二人道成寺』『男女道成寺』を勤めた折には四世雀右衛門から稽古をつけてもらっており、「形の美しさに加え、踊る場所によって風情、雰囲気を変えて踊らなくてはいけないと指導を受けました」と振り返った雀右衛門。京都の顔見世にふさわしい、白拍子花子が期待されます。「父の舞台では、お客様にどのように伝えたいかをよく見るようにと言われました。父が教えてくれた形、間、一つひとつの所作を思い出しながら、また、『京鹿子娘道成寺』に対する思い、伝えたかったことをもう一度思い出しながら、今度は私が少しでもお客様にお伝えできれば」と、意気込みを見せました。
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先斗町歌舞練場「京の年中行事 當る酉歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎 五代目中村雀右衛門襲名披露」は11月30日(水)から12月25日(日)までの公演。前半分(12月12日まで)のチケットは11月15日(火)、後半分(13日以降)は11月29日(火)に、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて発売予定です。