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門之助、笑也、猿弥が語る『四谷怪談忠臣蔵』
新橋演舞場4月公演「陽春花形歌舞伎」は市川猿之助演出『四谷怪談忠臣蔵』を上演します。『四谷怪談』と『忠臣蔵』の世界が一つになって、両作品の有名な登場人物たちが縦横無尽に駆け抜ける"猿之助エンターテインメント"の決定版ともいえる作品です。上演を前に市川門之助、市川笑也、市川猿弥が公演への想いを語りました。
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市川門之助
佐藤与茂七と天川屋義平女房おその(東京公演のみ)を勤めさせていただきます。今年は1月新橋演舞場、2月博多座と猿之助さんの復活狂言に続けて出演させていただきましたが、改めてすごく面白い作品だと感じています。そして物語の芯になる方が良く目立つようにできていますから、それだけ廻りを固める者がしっかしないといけないと思っています。
『四谷怪談忠臣蔵』はテンポよく進むので、『仮名手本忠臣蔵』や『東海道四谷怪談』がどのようなお芝居かということがきちんと理解していないと、お芝居が薄いものになってしまいます。とても難しい事ですが、それらをきちんと吸収して、舞台にのぞまなくてはいけないと思っています。
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市川笑也
塩治判官を勤めさせていただきます。物語のテンポが良いため、ともすると、とても短気な判官に見えてしまいがちですから、そこに気をつけて、以前判官を演じられた門之助さんにもいろいろと教わりながら勤めたいと思っています。
松の廊下の刃傷はあまりにも有名ですが、最近、若い子達のなかにはこの場面をしらない方もいるようです。この作品をご覧頂き、これなんだよと伝えられるといいなと思いますし、4時間近くたっぷりと楽しめる舞台を見て、歌舞伎って面白いなと思っていただければとても嬉しく思います。
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市川猿弥
前回と同じく、高師直と按摩宅悦を勤めさて頂きます。どちらもとてもやりがいのある役者冥利に尽きるお役です。高師直は敵役の代表的なお役ですし、宅悦を勤めることも大変なプレッシャーです。前回はちゃんとしなくてはという思いだけで精一杯でしたが、今回はどちらもさらに役の性根を掘り下げることができればと思っています。
歌舞伎座さよなら公演の最終月に、我々一門が新橋演舞場で舞台を勤めさせていただくことに、とても大きな責任を感じています。きっと将来とても良い想い出として残る舞台になると思っています。