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歌舞伎座「四月大歌舞伎」初日開幕
4月2日(土)、歌舞伎座「四月大歌舞伎」が初日の幕を開けました。
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今月の歌舞伎座は、昼夜で古典と新作をとり交ぜ、趣向に富んだ演目がそろいます。
昼の部の幕開き、三番叟を糸操りの人形が踊る趣向の『松寿操り三番叟』では、三番叟の舞踊を人形の振りで踊ります。毎日違う隈取りで勤めるという染五郎はこの日、初日ならではの隈取りで登場。後見に操られ、軽快な舞踊をみせました。
昼の部の二幕目は、3年前に新橋演舞場にて久しぶりに上演され、大好評を呼んだ『不知火検校』です。幸四郎演じる主人公の按摩富の市は、小さな悪事に手を染め、次々とエスカレートさせていくことで検校という盲人の最高位まで手に入れますが、それでもなお収まらない欲を満たすため、ついには江戸城の金蔵にまで狙いを定めます…。
昼の部の幕切は、「松羽目物」の舞踊劇『身替座禅』。仁左衛門演じる山蔭右京が愛人に会うために妻を出し抜き、それを思わぬ形で知った妻と、浮かれた様子で帰ってくる右京とのやりとりが、品を兼ね備えた可笑し味を誘う作品です。現代でも身近に感じることのできるテーマということもあり、客席からは、折々で笑顔がこぼれました。
夜の部は、『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』で始まります。度々上演される「毛谷村」に加え、その前の場面にあたる「杉坂墓所」からの上演となった今月は、仁左衛門演じる純朴で孝心の厚い主人公六助の心情がより伝わりやすくなっています。「女武道」として勇ましく戦うお園が、六助が許婚とわかり初々しさをみせる場面もみどころです。
夜の部の幕切れは、『幻想神空海 沙門空海唐の国にて鬼と宴す』。平成25(2013)年に上演されて大きな話題となった『陰陽師』に続く、夢枕獏原作の新作歌舞伎です。今回は、遣唐使として唐の国で密教の奥義を手に入れようとする空海を染五郎が演じ、時代を遡って唐王朝の秘事に係る事件を追う、スケールの大きな物語。劇中で染五郎の弾き語りもあり、新作歌舞伎ならではのみどころも満載です。
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歌舞伎座「四月大歌舞伎」は、4月26日(火)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて販売中です。