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吉弥、薪車、壱太郎 システィーナ歌舞伎『スサノオ』製作発表記者会見

吉弥、薪車、壱太郎 システィーナ歌舞伎「スサノオ」製作発表記者会見

 11月13日・14日の両日、大塚国際美術館にて、昨年好評を博したヴァティカンシスティーナ礼拝堂を原寸大に立体再現した「システィーナ・ホール」を舞台とする歌舞伎が、演目も新たに上演されます。

 今回初演される『スサノオ Susanoo』は、近松門左衛門『日本振袖始』を、荘厳な雰囲気を持つ「システィーナ・ホール」に合わせて、水口一夫の脚本・演出、藤間勘十郞の振付により、創作された新作歌舞伎です。

 東洋と西洋の文化の調和と競演、また日本の神話と西洋の神との競合が繰り広げられる楽しみな舞台。公演に先立ち、出演者・スタッフが製作発表で公演への想いを語りました。

水口一夫(脚本・演出)
 昨年は美術館の雰囲気を活かした一体感のある舞台づくりを心掛けましたが、今回は二番煎じにならないように、あえて、この美術館と喧嘩しながら、歌舞伎の魅力・美術館の魅力の両方を引き出せるようなものがないかと、近松門左衛門原作の『日本振袖始』より『スサノオ』を上演することに致しました。

 原作は、近松門左衛門。オオウチの場、スサノオみちひきの場、稲田姫の両親の家の場、大蛇退治の場という4場面に分けた上演を考えております。今回の公演の特徴は何と言っても、徳島ならではの阿波人形浄瑠璃が登場することではないでしょうか。また音楽には徳島の弦楽四重奏団にも参加していただき、さらに迫力ある石見神楽の大蛇4匹も登場します。システィーナの空間に4匹の大蛇が火を吹きながら暴れまわるという、スペクタルな舞台にしたいと思っています。

 システィーナ・ホールの様々な絵を観ながら、西洋の神々と日本の神々、神話の世界を歌舞伎に持ち込むことができないだろうかという思いから『スサノオ』が思い浮かびました。導入は天地創造、そして物語が進むにつれて日本の神話の世界に入っていこうと思っています。去年とは違った「システィーナ歌舞伎」の魅力をご覧いただければ幸せです。


上村吉弥
 昨年に引き続き、システィーナ歌舞伎に出演させていただけることを心より感謝致しております。今年は岩長姫という大役を勤めさせていただきます。私が芝居の世界に入った頃は中村歌右衛門丈、最近では坂東玉三郎丈がよく勤めているお役で、大蛇退治の場面は良く拝見致しておりました。まさか自分が勤める事になるとは思いもよらないような大きなお役ですが、稽古を重ね、楽しんで皆さんにご覧いただけるような舞台にしたいと思っています。


中村壱太郎
 去年の「システィーナ歌舞伎」のお話を伺っていましたので、今回自分が出演させていただける事をとても嬉しく思っています。稲田姫は、お姫さまの役です。吉弥さんが勤める岩長姫の悪女とは逆に、柔らかいお姫様になればと思っています。『日本振袖始』は最後の場面しか観たことがないので、このように話の発端からお芝居をさせていただけることをとても楽しみにしています。徳島も伺ったことがないので、それも大変楽しみです。


坂東薪車
 昨年、あまりにも素晴らしい空間で上演させていただいたことに衝撃を受け、鳥肌が立った思いが今甦っています。今回は、素戔鳴尊という誰もが知っている有名な人物を勤めさせていただきます。人形(阿波人形浄瑠璃)が絡んだり、大蛇が絡んだり、スペクタクルあり、恋模様がありと盛りだくさんの内容です。2回目という難しさはありますが、昨年の反省を活かしお客様に楽しんでいただけるように、皆で力を合わせたいと思っています。

吉弥、薪車、壱太郎 システィーナ歌舞伎「スサノオ」製作発表記者会見

2010/09/14