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玉三郎が語る、博多座「坂東玉三郎 特別舞踊公演」

玉三郎が語る、博多座「坂東玉三郎 特別舞踊公演」

 撮影:柏原孝史

 2022年2月2日(水)に開幕する博多座「坂東玉三郎 特別舞踊公演」に出演する坂東玉三郎が、公演に向けての思いを語りました。

選りすぐりの作品を

 博多座への出演は約4年半ぶりとなる玉三郎。久々に博多を訪れるとあって、「とても楽しみです」と、微笑みを浮かべます。博多座に初出演した平成15(2003)年の『鷺娘』をはじめとするこれまでの上演作品を「思い出深いですね」と振り返り、「博多座は大臣柱(舞台の上手下手にある柱)を動かすと、歌舞伎座の舞台と同じ間口になる。囲まれた感じがなく、広く使えることが印象深いです」と、劇場のイメージを語ります。

 

 「こうした大きな劇場で、どんなものをお見せしようか、と考えますね。博多座へはいつも、選りすぐりの作品をもって行っているつもりです」と、強い思い入れを感じさせます。「華やかな後シテ物である『日本振袖始』は、お客様にお楽しみいただけるのではないかと思います。『鶴亀』は、今年8月の南座公演の際につくった作品。博多座ではより広々とした雰囲気が出るのではないでしょうか」。

 

玉三郎が語る、博多座「坂東玉三郎 特別舞踊公演」

 撮影:柏原孝史

現実を忘れていただける時間

 公演の冒頭を飾る『口上』では、玉三郎が皆様へのご挨拶とともに、打掛などの衣裳を紹介します。美しい衣裳はもちろん、その背景として置かれる、琳派風の絵が描かれた屏風もみどころとのこと。その制作現場には玉三郎自身が何度も足を運んだといいます。また、紹介する衣裳は2通り用意しているそうですが、「それだけではない、目新しいものをお目にかけられないかなと考えています」と、お客様に楽しんでいただけるようなアイディアを練っていることを明かしました。

 

 今夏の南座公演でも共演した中村橋之助、中村福之助、中村歌之助の三兄弟、河合雪之丞も、ともに今回の博多座公演へ出演します。今年、南座以外でも共演する機会が多かった三兄弟について、「三人とも仲が良くて、せりふのことや動きのことなど、稽古中に注文が出たものについて、きちんと話し合ってきてくれる。とてもいい関係です」と、温かい口調で話すその表情から、充実した稽古が重ねられてきたことがうかがえます。

 

 年の瀬を迎えた心境を聞かれ、「年でくくるのではなく、今を大事に、明日を大事に、いただいたお仕事や日々を丁寧にやっていこう、という思いです」と、答えた玉三郎。「現実にはいろいろな苦しいこともあると思いますが、上演中はそうした現実を忘れてお楽しみいただけるように最大を尽くしたい。皆で力を合わせて、素晴らしい時間を過ごしていただけるよう努力しますので、ぜひご覧ください」と呼びかけました。

 博多座「坂東玉三郎 特別舞踊公演」は、2022年2月2日(水)から19日(土)までの公演。チケットは1月8日(土)から、博多座オンラインチケット、電話予約センター、劇場窓口ほかで、発売予定です。

2021/12/23