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南座 新開場記念2018~2019ラインナップ発表

南座 新開場記念2018~2019ラインナップ発表

 南座公式キャラクター「みなみーな」と、南座新開場記念の幕開けを高麗屋三代の襲名披露で飾る十代目松本幸四郎

 

 

 2018年11月に新開場する京都四條南座の「南座 新開場記念2018~2019」ラインナップが発表されました。

南座 新開場記念2018~2019ラインナップ発表

 平成28(2016)年1月の公演をもって休館していた南座が、耐震補強工事を行い、この11月に2年9カ月ぶりに新開場となります。歌舞伎発祥の地で約400年にわたり、歌舞伎を上演してきた南座。「従来続いている顔見世興行をきちんと継承しながら、400年前にさかのぼって当時、どういう思いで南座ができたのか、新しい発想で南座の公演を考えていきたい。二つを並行させていきたい」と、ラインナップ発表会の冒頭、安孫子正松竹株式会社副社長は力強く挨拶しました。

 

 新開場の幕開けは11月・12月、2カ月連続の「吉例顔見世興行」。南座発祥四百年 南座新開場記念と銘打ち、11月の高麗屋三代の襲名披露で、華々しく新しい南座がスタートを切ります。

 

南座 新開場記念2018~2019ラインナップ発表

 「新開場の南座で最初の公演に出させていただく。とてもご縁を感じています」と幸四郎。というのも、平成3(1991)年11月の南座新装開場記念でも、『勧進帳』の四天王で南座初お目見得を果たしており、幸四郎が初めて復活狂言にかかわった『小笠原騒動』、続く『木下蔭真砂白浪』も南座、そして「傾奇おどり(平成21年8月)、創作舞踊も南座が最初でした」。幸四郎にとっては、縁の深さを感じずにはいられない場所、それが南座です。

 

 「京都は“新しもの好きな場”ではないかと思います。南座が、いろいろな可能性を秘め、最新鋭の舞台技術を持ち、今までにない舞台演出ができる構造になっていることは、さすが京都の南座らしいなと感じています」。舞台と客席がフラットになる機構についても、「魅力的です。天井も素敵な南座ですから、贅沢な気分が味わえる空間になるのではないでしょうか」。ラスベガス公演などで映像や最新技術をとり入れてきた幸四郎は、「新しい技術が南座で使えるのはわくわくしております」と顔をほころばせました。

 

 12月は京の冬の風物詩の「吉例顔見世興行」で、歴史ある南座の顔をつないでいきます。年明けは元旦から松竹新喜劇、喜劇有頂天シリーズと続き、2月は“和”のエンタテインメント・ショー「KYOTO EXPERIENCE!」。3月は「坂東玉三郎特別公演」。これまで南座で数々の作品を上演してきた玉三郎が、開場記念にふさわしい公演を行います。4月は南座では67年ぶりとなる「都をどり」。

 

 5月は舞台と客席が一体化した空間での新しいパフォーマンス、「京都ミライマツリ2019」。原宿カルチャーを牽引するアソビシステム、京都の劇場を拠点に文化を創造するアートコンプレックス、ラスベガス公演ほかですでに歌舞伎公演にも携わっているネイキッドが、参加型のエンタテインメントを生み出します。日本の祭りをテーマに、新しいパフォーマンスを南座恒例の公演にしていこうというものです。

 

 6月は新作歌舞伎『NARUTO –ナルト-』。歌舞伎として新橋演舞場でこの夏に上演される作品ですが、南座公演にあたっては、海外に認知度の高い原作漫画でもあり、「外国の方にもわかってもらえることを含めて上演します。いずれは海外へもっていくような作品づくりを」と安孫子副社長。巳之助、隼人が出演します。

 

 7月はこれまでも公演の多かった落語の米朝一門から「桂米團治 独演会」。そして、創立96周年のOSK日本歌劇団のレビュー公演は、ナイトエンタテインメントとしても国内外のお客様に楽しんでいただける公演を目指します。

 

 8月は「超歌舞伎公演」。ニコニコ超会議で3作に出演してきた獅童と初音ミクが、幕張メッセを飛び出し、南座に登場します。NTTの最新技術により舞台は年々進化を遂げており、舞台の進化が技術の開発にもつながっていくという一体化が、将来への大きな期待となっています。9月には南座ではお馴染みの「花形歌舞伎」。愛之助、七之助、中車を中心にした公演で、歌舞伎の芸の伝承が脈々と受け継がれる場所としての南座の顔を見せます。

南座 新開場記念2018~2019ラインナップ発表

 左より、藤田孝南座支配人、松本幸四郎、安孫子正松竹株式会社副社長

 「400年の伝統を受け継ぎ、魅力と価値を最大限に未来に継承、発展させていくというコンセプトのもと、“伝統と新たな魅力が融合する”をテーマに、コンテンツづくりに取り組んでおります。伝統的な歌舞伎などの公演の一方で、まったく新しいエンタテインメント、新しい空間づくりも始まります。また、コンテンツ自体が伝統とテクノロジーが融合した公演もあります。すべてを網羅して新しい時代の劇場づくりに、南座をつなげていきたい」と藤田孝南座支配人。

 

 国内外に向けて魅力あふれるコンテンツを、京都から、南座から発信していきたいと、南座公式キャラクター「みなみーな」も、この日初お目見得。耐震補強工事中に発掘されたというみなみーなですが、「工事は最新の工法で行われたので、劇場を見てもどこを補強したかわからないと思います。南座ならではの格式ある、華のある空間にお越しいただけます」と、支配人も太鼓判の新しい南座。新開場はこの秋、11月です。

 

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南座 新開場記念2018~2019ラインナップ発表

 

唐破風の頭に、元和年間に官許された証しの櫓と、神を呼び込むといわれる梵天を乗せ、南座の象徴がひとつになった、大提灯形の「みなみーな」。南座の宣伝部長です!

 

 
2018/05/19