2025年7月5日（木）から新橋演舞場、8月5日（火）から博多座、8月15日（金）から南座で始まる『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁（あずまかがみゆきのみだれ）』に出演・演出の尾上松也が、演出・振付の尾上菊之丞、脚本の松岡亮とともに、公演に向けての思いを語りました。

▼

人気シリーズ作品第二弾

　さまざまなメディアミックスも話題となり、世界的な人気を誇るゲーム「刀剣乱舞ONLINE」。令和5（2023）年に初めて歌舞伎として上演された『刀剣乱舞』が、このたび第二弾として、7月の新橋演舞場を皮切りに、博多座、南座と各地で上演されます。前作に引き続き演出を担当する松也は「第一弾を企画しているときから、シリーズの構想がありましたので、今回の上演は非常にうれしいことです。多くの支えをいただき、大盛況のまま幕を閉じた前作に負けないよう、この第二作でさらに歌舞伎の魅力を知っていただけるような新たな作品をお届けしたいです」と、熱い思いを口にします。

 

　　「前回は初めての演出作品で、不安もありましたが、想像以上に多くの方に愛していただけたことが自信に繋がりましたし、この第二弾ではもう少し大胆に、という思いも芽生えました。新たに三振りの刀剣男士のキャラクターが登場するところは、今回の大きな魅力の一つです。時代設定は、以前より髭切、膝丸にゆかりのあるものにできたらいいなという考えがあり、源氏と関係の深い刀ですので、実朝の時代を描く予定です」と、前作での感謝を込めながら、このたびの上演のみどころを明かします。

 

歌舞伎の底力を

　「今回は、舞踊『舞競花刀剣男士（まいきそうはなのつわもの）』を芝居の『東鑑雪魔縁』と組み合わせて上演するのも、前作とは大きく違う部分です」という松也の言葉を受け、振付の菊之丞も「刀剣男士は、元々とても個性的なキャラクター達です。踊りにおいては、同じ振りでも踊り手の年代、性別や衣裳により表現が変わりますので、物語から離れたところで、刀剣男士に踊らせてみたいという思いをもっていました。彼らを歌舞伎のさまざまな作品や役柄と融合させてみたらどうかな、など、アイディアは尽きません」と明かし、その構想に期待が高まります。

 

　脚本の松岡も「前作でも、歌舞伎をいつもご覧になってくださってる方、この刀剣乱舞をきっかけにご覧になる方、どちらに対しても、いい意味での裏切りがあるように考えていました。今回もその方向性は変えずに、しかし歌舞伎のもっている力に挑戦して、いろいろな見せ方がある、歌舞伎の幅の広さや底力を作品構成としても観ていただきたいと思っています」と、抱負を述べました。

 

“刀剣乱舞”と歌舞伎の共通点

　「歌舞伎の古典作品も“刀剣乱舞”のストーリーも、多くが史実をもとに脚色をしてつくったという点がリンクしており、つくりがいがあると感じてます。また、2.5次元の舞台の演出は、歌舞伎と共通するアナログな部分もあり、非常に刺激を受けています。また、洋装のキャラクターをどういう風に歌舞伎に落とし込むか、という点はいつも大変ですが、やりがいのある部分ですね。歌舞伎でしか観られないキャラクターも、どんどん増えていくといいなと考えており、今回も構想があります」と、原作との類似性も大切に、歌舞伎としての上演にあたり工夫を重ねている様子がうかがえます。

 

　「刀剣乱舞のファンの方が、歌舞伎に興味をもってくださったというお声も届いており、本当にうれしいですね。やはりこの新作を通して歌舞伎を知っていただき、刀剣乱舞を通して、こんなに歌舞伎は面白いんだ、こんなことができるんだという魅力を知っていただくこと。そして、今度は歌舞伎座に足を運んでみようと思っていただくことが理想ですので、今回も歌舞伎の底力をおみせできたらと思っています」と、気合十分に、締めくくりました。

▼

　　新橋演舞場 『刀剣乱舞』は、7月5日（土）から27日（日）まで、博多座『刀剣乱舞』は、8月5日（火）から11日（月・祝）まで、南座『刀剣乱舞』は8月15日（金）から26日（火）までの公演。チケットは、新橋演舞場と南座がチケットWeb松竹、チケットホン松竹で発売中、博多座がチケットWeb松竹、博多座オンラインチケット、電話予約センターほかで6月28日（土）から発売予定です。