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松也が語る、歌舞伎座『弥生の花浅草祭』

松也が語る、歌舞伎座『弥生の花浅草祭』

 

 

 12月1日(火)から始まる歌舞伎座「十二月大歌舞伎」第一部『弥生の花浅草祭』に出演する尾上松也が、公演に向けての思いを語りました。

4役の切り替え

 歌舞伎公演は今年1月の「新春浅草歌舞伎」以来、歌舞伎座への出演は昨年10月以来となる松也。久しぶりの歌舞伎座で、「このような大曲をさせていただくことに、うれしさと驚きを感じた」と言います。演じるのは、神功皇后、善玉、通人、獅子の精の4役。「(神功皇后は)落ち着きをもって始まり、悪玉と善玉で一気にボルテージを上げ、通人では歌舞伎らしいほんわかとした空気を味わっていただき、最後は華やかさとかっこよさが詰まった獅子の精で」と、全体のイメージを描きます。

 

 二段目にあたる悪玉と善玉の踊りは、その部分だけが、舞踊の『三社祭』としてよく上演されています。平成23(2011)年に開催した自主公演で『三社祭』の悪玉を勤めた松也は、「当時は、大曲をやる機会も少ないなか、自分を追い込んで糧にしたいと思っていました。大変な踊りで手も足も出ませんでしたが、その息遣いや感覚がわかっているという点では、覚悟ができています」と振り返りました。

 

 「一番重要なのは善玉と通人の切り替えです。善玉から通人に変わるときが、非常に慌ただしく、息も一番上がっているところ。そこで通人らしい空気感をもって出てこなくてはいけない」と課題を挙げながら、「4つの役を表現分けしたい」と、意気込みます。また、4役は初めてという早替りについては、「これはもう、やるしかない。チームワークで段取りを組んでいけば大丈夫です」と、気合十分です。

 

松也が語る、歌舞伎座『弥生の花浅草祭』

 

愛之助と勤める『弥生の花浅草祭』

 共演する愛之助は、武内宿彌、悪玉、国侍、獅子の精を演じます。「愛之助さんの方がはるかに大変だろうなと感じます。例えば二段目でも、悪玉はハード、善玉はやわらかいニュアンスの踊りなので、動きを大きくはっきりと見せる悪玉の方が大変。ただ愛之助さんはこれまで何度かお勤めになっていらっしゃるので、まずは自身の稽古を積んで、愛之助さんのお力をお借りして表現できたら」と、気を引き締めます。

 

 これまで上演された『弥生の花浅草祭』の舞台については、「平成21(2009)年の新橋演舞場の公演で、今の僕と同じくらいのご年齢の松緑さんと愛之助さんが、最後に毛を振っていたのが印象に残っています」と、懐かしそうな表情で明かしました。

 

久しぶりの歌舞伎座

 久々に歌舞伎座の舞台に立つことについて、「率直に、うれしくありがたく思っています」と話します。8月に再開した歌舞伎座の様子について、出演した俳優から感想を聞いたというエピソードを交えつつ、「どう感じるかは、僕自身も楽しみですね」と、1年2カ月ぶりの歌舞伎座出演に、自身も期待をふくらませている様子がうかがえます。

 

 この1年を振り返り、「いろんなことに気づくことが出来た年だった」と総括した松也。「仕事をすることや人と接することの大切さ、どれだけエンターテインメントが我々の生活のなかで必要とされているかを改めて感じました。だからこそ、(客席数が)半分だとしても、舞台を生でお届けすることができるのであれば、できる限りのことをやっていくべきだと思います」と、言葉に力を込めました。

 歌舞伎座「十二月大歌舞伎」は、12月1日(火)から26日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で発売中です。

2020/11/19