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玉三郎、大阪松竹座「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」へ向けて

玉三郎、大阪松竹座「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」へ向けて

 

 2021年1月2日(土)に開幕する大阪松竹座「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」に出演の坂東玉三郎が、公演に向けての思いを語りました。

舞台で華やかな気持ちに

 2021年の大阪松竹座は、玉三郎の特別舞踊公演で幕を開けます。コロナ禍が続くなか、「お客様の安全を第一に」、少しでもお正月の華やかな気分を味わってもらおうと、さまざまな趣向を考えている様子の玉三郎。感染拡大防止対策の一環として、花道をなくした客席配置となりますが、その分、舞台の奥行きを使った演出を考えていると言います。

 

 また、『口上』では、「充実させ、幸せのあふれる口上をお楽しみいただきたい」との思いから、それぞれ関西やお正月にゆかりのある演目で特別にしつらえた打掛を紹介する構想を練っていることを明かします。その他にも、お正月の音色としておなじみの琴を演奏に加えるなど、検討を重ねている姿からは、舞台にかける強い思いがうかがえます。

 

玉三郎、大阪松竹座「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」へ向けて

 

趣の異なる二つの舞踊

 今回上演される『賤の小田巻』については、「何か新しいものを、と考えたときに、(『傾城雪吉原』での)傾城の扮装とまったく異なる衣裳を観ていただける」ことから上演を決めたとのこと。また、静御前と源義経の別れの舞踊であることに触れながら、「(実際に)静が頼朝の前でどのように踊って悲しんだかということよりも、その風情を見せるということが大切だと思います」と、この踊りの眼目を表現します。

 

 一方、『傾城雪吉原』は平成30(2018)年に歌舞伎座で初演され、昨年南座、御園座でも上演された歌舞伎舞踊。「舞踊『高尾懺悔(たかおさんげ)』の名曲が入っており、冬の景色が出てきて華やか。しかも、“春は来にけり”という歌詞で終わります」と、この季節にふさわしい演目であると述べました。

 

お客様の演劇への情熱に応えていきたい

 9月、10月、そして12月と、歌舞伎座での出演が続いている玉三郎。「この状況下で、お客様が来てくださるということのありがたさをつくづく考えます。その気持ちに胸がいっぱいになりますし、こちら側の姿勢も正される気分がありますね」と、お客様への思いを感慨深げに語ります。また、「大劇場で幕を開けられることの幸せというものを感じます」と、現状への感謝も口にしました。

 

 それらの思いを胸に、「無事にお客様をお迎えできることが一番の目的」と力強く述べながら、「コロナの話題は、テレビをつければ朝から晩までやっていますし、皆さん集まればこの話になりますが、舞台でだけは楽しく、厳しい状況を忘れていただく時間を過ごしていただきたいと思います」と、穏やかな表情で締めくくりました。

 「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」は2021年1月2日(土)から19日(火)までの公演。チケットは、12月2日(水)から、チケットWeb松竹チケットホン松竹で発売予定です。 

2020/11/24