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歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』の開幕を前に

2024年11月30日(土)に新橋演舞場で開幕し、2025年2月4日(火)から博多座で始まる歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』に出演の松本幸四郎、尾上松也、中村時蔵、坂東新悟、尾上右近、市川染五郎、澤村宗之助、大谷廣太郎、市川猿弥、片岡亀蔵、坂東彌十郎が意気込みを語りました。
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平成19(2007)年に劇団☆新感線と松竹の共同公演として初演された『朧の森に棲む鬼』を、歌舞伎として上演する、歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』。初日前に行われた会見で、11名の出演者が、意気込みを語りました。
17年前に主人公ライを勤めた幸四郎は、今回松也とのダブルキャストでライとサダミツの2役を勤めます。「2024年、最後の舞台となります。ぜひとも今年一番の刺激を受けに、皆様に劇場に足を運んでいただきたい」と呼びかける幸四郎は、みどころを聞かれると、「どこが一番のみどころか、皆様それぞれに決めていただきたい。人のパワーを感じていただける作品なので、ぜひ劇場でご覧いただきたい」と、熱く語ります。
松也は、「念願の歌舞伎NEXTへの出演がかない、サダミツとライの2役を幸四郎さんと勤めさせていただくことができ、うれしい限りです。全力を尽くすので、熱量を感じていただきたい」と意気込みます。以前「憧れ」と語った幸四郎のライを近くで見られることについては、「“本物のライが目の前にいる”と感じる場面が(稽古で)たくさんありました。初日に向け、どんどん(幸四郎のライの)ボルテージが上がってきているので、それを間近で見せていただけるのは楽しいです」と、笑顔を見せました。
エイアン国の四天王の一人、検非違使の長・ツナを勤める時蔵は、「(出演させていただけて)光栄です。稽古期間もとても楽しく、毎日刺激を受け、稽古場に行くときはわくわくしました」と、充実した稽古の様子がうかがえます。エイアン国の国王・イチノオオキミの愛人シキブを勤める坂東新悟は、前回の歌舞伎NEXT『阿弖流為』に続いての出演となり、「前回、とても楽しく勉強になりましたので、今回も頑張りたいと思います。ほかの劇場に負けないように精一杯勤めさせていただきます」と意気込みました。
ライの弟分、キンタを勤める尾上右近は、憧れの役を勤めることへの喜びとともに、「(『朧の森に棲む鬼』で)幸四郎兄さんが劇団☆新感線に一人飛び込む姿に刺激を受け、僕も今一人で演劇の経験をさせていただいている」と、転機となった作品への思いも明かしました。エイアン国と敵対するオーエ国シュテン党の党首・シュテンを勤める染五郎は、「(シュテンは)女性の役が男性となり、前回と一番変わっている役だと思います。父が染五郎時代に演じた作品を、私が染五郎になって出させていただけることも意義深く感じています」と、真剣なまなざしで語りました。
密偵の武士・アラドウジを勤める宗之助は、自身のメイクに触れ、「ジョーカーではございません。どういったお役かは、舞台をご覧になってからのお楽しみに」と茶目っ気たっぷりに話します。シキブに仕えるショウゲンを勤める廣太郎が「ショウゲンという役の落ちぶれていく様をお楽しみください」と言うと、出演者の笑いを誘い、和気あいあいとした一座の雰囲気が伝わります。盗賊たちを束ねる大悪党・マダレを勤める猿弥は、「大勢の方に観に来ていただきたいと思います。よろしくお願いいたします」と、力強く呼びかけました。
エイアン国四天王の一人、ウラベを勤める片岡亀蔵は、「前回の歌舞伎NEXT『阿弖流為』にも出演させていただきました。今回9年ぶりの上演となりますが、次9年経つと72歳になりますので、NEXTのNEXTはもっと早めに実現していただきたい」と、歌舞伎NEXTへの思い入れがうかがえます。エイアン国国王・イチノオオキミを勤める彌十郎は、作中の激しい立廻りについて、「私も若かったらやりたかった、と思うくらいかっこいい。そのかっこよさをぜひ観に来ていただきたいです。この作品も、何十年か経ったら古典になるかもしれない。“昔は歌舞伎NEXTって呼ばれていたんだ”、“歌舞伎NEXT第二弾見たんだよ”と言ってもらえるような舞台になってほしい」と熱く語りました。
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新橋演舞場 歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』は、11月30日(土)から12月26日(木)まで、博多座 歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』は、2025年2月4日(火)から25日(火)までの公演。チケットは、新橋演舞場がチケットWeb松竹、チケットホン松竹ほかで販売中、博多座が博多座オンラインチケット、電話予約センターほかで12月14日(土)から発売予定です。