ニュース
獅童が語る、歌舞伎座「超歌舞伎 Powered by IOWN」『世界花結詞』
2025年12月4日(木)から始まる歌舞伎座「十二月大歌舞伎」第一部「超歌舞伎 Powered by IOWN」『世界花結詞』に出演の中村獅童が、公演へ向けての思いを語りました。
▼
平成28(2016)年4月幕張メッセ「ニコニコ超会議」で初演された「超歌舞伎」。今年で10周年を迎え、歌舞伎座「十二月大歌舞伎」では「超歌舞伎十周年記念 十年のキセキをつなぐ決定版!!」と銘打ち、「超歌舞伎 Powered by IOWN」『世界花結詞(せかいのはなむすぶことのは)』が上演されます。
10年の感謝の気持ちを込めて
獅童は、「2016年に超歌舞伎をつくらせていただいたときは、こんなに長く続くとは思っていませんでした。まさか自分の子どもと共演するとは、夢にも思わなかった」と感慨深げに語り、「長い間応援し続けてくださったファンの皆さまのおかげ」と、感謝の言葉を述べました。
獅童は、「これまでの超歌舞伎を第1期とするならば、歌舞伎座での初上演が叶った2023年12月公演の千穐楽で第1期は終了し、今回からまた新たに第2期に向けて動き出します」と話し、今回の作品について、「10年の思いを込めて、今までの超歌舞伎の作品で印象的だった部分を全部繋げて一つのストーリーに仕立てている」と、明かします。さらに、「今までにない場面はもちろん、配役でも、たとえば私が今まで演じていた役を他の役者さんが演じたり、ミクさんが演じていた役を別の役者で演じたりと、歌舞伎座のためにブラッシュアップした新作と呼べるようなものができた。作品を通して、10年の感謝の気持ちを込めた作品になっている」と、自信をみせました。
次世代の成長と観客へのメッセージ
今回の公演には、息子である中村陽喜、中村夏幹も出演します。獅童は、「陽喜は、“綺麗なもの”が好きなので、将来女方と立役と両方やりたいと話しています。夏幹は男らしい役柄が好き。そのため、当初の配役と逆にし、碓井貞景丸を陽喜、坂田公平丸を夏幹が勤めます」と説明します。また、「現代的な歌舞伎だけでなく、歌舞伎の三大通し狂言のうちの一つに出演し、(片岡)仁左衛門のお兄さんと共演させていただけたことは、二人にとって大きな経験になっている」と、今年の10月歌舞伎座『義経千本桜』の出演を経た二人の成長についても触れました。
さらに、「超歌舞伎」ならではのエンディングについて聞かれると、9年前の初演時を振り返り、観客がペンライトを振っていいか戸惑うなかで、「僕がお客さんを煽ったんです。熱狂する場面だからいいんだよというサインを送った」と獅童は明かしました。「江戸歌舞伎は最先端の芸能と言われていたので、当時、ペンライトやバーチャル技術があったら使っていただろうし、お客様たちも熱狂したのでは」と語ります。さらに「僕がロックバンドをやってきた経験など、(歌舞伎の)外で触れ合ったいろいろなものが、すべて活きるときが来るんだというのが、『超歌舞伎』をつくったときに一番感じたこと」と、自身のルーツと重ね合わせました。
最後に、若い方や初観劇の方へ向けて、「歌舞伎というのは、元々は庶民の娯楽。皆さんがテレビや映画やコンサートに行って盛り上がったりするのと同じように、気軽に歌舞伎を観て」と呼びかけます。「歌舞伎座に一歩入った瞬間、そこはもう夢の世界なんですね。お客様と出演者とでつくり出す空間、心と心のキャッチボールを皆さんとできたら我々もうれしく思います」と締めくくりました。
▼
歌舞伎座「十二月大歌舞伎」は12月4日(木)から26日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。
