デビューして8年、ツアーやレコーディングなど、国内外での様々な経験を経て、二人が感じたのは『日本人の血』だ。海外で受け入れられたのは「日本人の僕らしかできないこと」をやっているからだ、と言う。

　「昔ながらの民謡の良さを分からない人が多かった。それを覆すために、日本人の僕らしかできないオリジナルを作った」という二人。ずっと先の未来まで、民謡の素晴らしさを伝えていきたいからこそ、コンサートでは「オリジナルを聞きにきた若いお客さんには古い民謡の良さを、民謡の世代には斬新なオリジナルを。両方大切にする」のだという。それが二人が考える『伝統と伝承』だ。

　伝統は守るものではない。創るもので、時代と共に変化していくもの。一方、昔ながらのものである伝承は守るもの。強い意志を込めて彼らは言う。

　「二つの相反することを、三味線でどれだけ残していけるかを目指している。だから色々なことができる引き出しを持つことが大事。言葉では難しいけど、僕らの奏でる音で、お客さんが感じて欲しいといつも願っています」