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【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
自らの手法を確立した卒業制作(一部)。切り絵とは思えないほどの、緻密な線と躍動感が強いインパクトを与える。
福井さんの切り絵は、周囲にいる学生の中でも唯一の手法であり、自由度も高い作品性が注目を集めた。しかし「技術不足」、「どこかで見た誰かの真似」ではないかと疑心暗鬼に陥ることもあった。そこから抜け出そうと、夢中で手がけた卒業制作作品で公募展に入賞。自分の独創性を見出すものの、すぐに仕事に繋がらない。作家として活動する手だてもない。
「切り絵という手法も認められていませんでしたし、作家として活動していくのは、全く無理だろうと思っていました」 卒業後はアルバイトなどで送る日々が続く。自分の作品が生きる道を模索していた。空白の時間が続いた。
ただ、何もせず、時間を見逃してゆくほど残念なことはないと、福井さんは当時アルバイトしていた日本料理店に、自主的に作品を持ち込み始める。それは自分に課す修行となった。 「作家としての仕事はないけれど、それでも自分の腕を、もっと磨きたいと思って作品を置かせてもらいました。四季折々のテーマに合わせた作品を、毎月作って飾らせてもらっていました」
そんなとき、運命的な出会いがある。あるアーティストの関係者に知人を通して作品を見てもらい、その半年後、作家として初めての仕事の依頼がくることになる。NY在住の有名アーティストとのコラボレーションの仕事だった。 「たまたま日本人のアーティストを探していたようで。本当に運命的な出会いだったと思います」
有名アーティストとのコラボレーションで、福井さんへの注目度は一気に高まり、様々な仕事の依頼が舞い込んだ。手がけた作品がデザインされた、スニーカーやバッグなどは大きな反響を呼び、話題を集めた。
道を迷い、模索しながらも、空白の時間に自ら課した修行でたどり着いた、自由で斬新な作品。その福井利佐の作品が、民芸という枠を飛び越えて、新しいアートとしての切り絵を誕生させたのだった。
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書道家・武田双雲。繊細な線もダイナミックで雄弁な線も、思いのままに操り、書で人々に感動を与え、魅了し続ける理由。それはその人柄にあった。
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茶道具への「見立て」や「目利き」ぶりが、「千利休の再来」と評されることもある、若き茶人・千宗屋。柔らかな物腰とは対照的に持つ、確固たる信念。
大衆芸術である民芸を現代アートに進化させた福井利佐の切り絵の世界をのぞいてみた。
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津軽三味線一つで、それまで長く続いていた伝統の民謡文化を覆した吉田兄弟。