検索
メニュー
閉じる
過去の公演情報から現在の公演情報、ニュース、読み物コンテンツを検索することができます
検索する
【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
武田双雲(たけだそううん) 昭和50年 熊本市生まれ。3歳から母である書家:武田双葉(そうよう)に書を叩き込まれる。東京理科大学理工学部卒。2001年1月NTTより独立。国内外で様々な賞を受賞し、現在は湘南を基盤に創作活動を続ける。著書に「たのしか」(作品集/ダイヤモンド社)、「書愉道」(池田書店)、「『書』を書く愉しみ」(光文社新書)など。 ◇武田双雲公式サイト
190cmはあろうかという、長身の男性がドアを開けた。どうぞ、と気さくに招き入れる姿に、ふっと肩の力が抜けていく。300人程の生徒が通う教室は、板間に机が並べられ、障子越しに自然光がふんわりと注ぐ。どこか懐かしい寺子屋のよう。
「僕は普段は書道教室の先生でもあります。ここで自分の作品も書きますよ」という武田双雲さん。教室内には生徒さんが書いたという作品があちらこちらに見え、同時に双雲さんが手がけた題字が印刷されたドラマや映画の台本、書籍などが置いてある。こちらが想像していたアトリエとは様子が違うが、「自分の作品」も「生徒の作品」も同じ「書」だ、と区別をつけない風通しの良さを感じた。
武田双雲といえば、テレビや雑誌など、各メディアで活躍する、今や日本一有名な若手書道家だ。しかし、ドアを開けて挨拶するとき、生徒の作品を見せてくれるとき、自身の作品を紹介してくれるとき、常に変わらぬ笑顔と幸せを含んだ雰囲気が漂う。
「テレビや雑誌に出るときもそうだし、教室の先生としての時間もそう。色んな人とコミュニケーションを取るのがすごく楽しい。自分が楽しいとそれを人に伝えられたらいいなって思いますよね。僕にはたまたま書道があった。だから、書というツールを使って、それを表現しているだけです」。
頭の中にある言葉や漠然とした思いを書に託す。それを介して人と繋がっていく。至極シンプルな書というツールを使って、双雲氏が発信したいもの。それは世代やジャンルを超えた「人との思いの共有」だ。
武田双雲の書が、従来の「書道」と一線を画しているのは、歴史や作法を重んじる閉じられた世界での活動ではなく、性別、世代、人種の垣根を越えてメッセージを伝えるツールになっているところだ。書の世界の扉を開き、常に新しい空気や感動を送り込む。彼の書には、「人に幸せな思いを伝えたい」という素直で自然なメッセージが込められている。だからこそ、受け取る側に大きな感動を与えるのかもしれない。
1 2 3 4
書道家・武田双雲。繊細な線もダイナミックで雄弁な線も、思いのままに操り、書で人々に感動を与え、魅了し続ける理由。それはその人柄にあった。
友禅作家・中野スズミさんの作品は、本物志向だが着物のルールに縛られすぎず、自分らしいきもの姿を追及する女性たちの心を虜にしている。
茶道具への「見立て」や「目利き」ぶりが、「千利休の再来」と評されることもある、若き茶人・千宗屋。柔らかな物腰とは対照的に持つ、確固たる信念。
大衆芸術である民芸を現代アートに進化させた福井利佐の切り絵の世界をのぞいてみた。
戦後最年少で真打に昇進し注目を浴びてから今日まで、世間の注目を集めてきた落語家・柳家花緑
津軽三味線一つで、それまで長く続いていた伝統の民謡文化を覆した吉田兄弟。