歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



 
『女殺油地獄』豊嶋屋お吉(平成21年2月大阪松竹座) 撮影:松竹株式会社

受け継ぎたい「教える」「教えられる」関係

 『女殺油地獄』では、染五郎さんが主人公の与兵衛を、亀治郎さんは与兵衛に油まみれになりながら殺されるお吉の役を演じられます。亀治郎さんは2度目、染五郎さんは3度目だそうですね。

 この演目で共演するのは初めてです。染五郎さんとは歌舞伎に対する考え方も近く、演じていてとてもやりやすいです。

 以前、染五郎さんにインタビューをしたとき、歌舞伎座が建替えられている3年間が、歌舞伎にとってひとつの試練の時期だとおっしゃっていました。

 「歌舞伎座さよなら公演」には本当にたくさんのお客様がいらしてくださいました。しかしその中には歌舞伎座を見に来られた方も多かったのかもしれません。本当に歌舞伎が好きだという人をもっと増やさなくてはいけない。今、僕たちが頑張らなければ、という思いはお互いに共通していると思っています。

 そんなお二人の共演はとても楽しみです。お吉はどなたに学ばれたのでしょうか。

 秀太郎さんです。なんといっても上方のお役ですから。ふだん女方のお役を勤める時は、さまざまな方に教えていただきます。澤瀉屋には教えていただける女方がいないんです。ですから芝翫さん、藤十郎さん、田之助さん、福助さんなどたくさんの先輩にご指導いただいています。特に芝翫さんに教えていただくことが多いですね。

 先輩方は、皆さんよく教えてくださるとうかがっています。

 それが歌舞伎の中で受け継がれている「日本の心」だと思います。歌舞伎界に限らないとは思いますが、特にそれが強いと言えますね。僕も教わる・教える関係はちゃんと受け継いでいきたいです。

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