
【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
第1部 午前11時開演
お年玉〈年始ご挨拶〉
一、傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
土佐将監閑居の場
義経千本桜
二、吉野山(よしのやま)
第2部 午後3時開演
お年玉〈年始ご挨拶〉
双蝶々曲輪日記
一、角力場(すもうば)
二、御存 鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)
三、棒しばり(ぼうしばり)
――第2部は『角力場』から。松也さんの放駒は「四国こんぴら歌舞伎大芝居」(平成20年4月)で、一度演じていらっしゃいます。
松 也:当時はまだ女方が多い頃でしたが、ひと月、芝居の芯になる役を勤めたのはこれが初めてだったんです。そういう意味でもとても思い出深いお役です。菊之助のお兄さんに教えていただきます。こんぴら歌舞伎では与五郎との二役でしたが、今回、与五郎は隼人くんが勤めます。
隼 人:はい、譲っていただきました(笑)。『角力場』は、父の錦之助襲名のときに弟子閂(かんぬき)で出していただいて以来です(平成19年4月歌舞伎座)。体が大きいので、それを殺して、つっころばしらしく演じられたらと思っています。父に教わります。
――隼人さんは『鈴ヶ森』では、親子共演ですね。
隼 人:権八は本当に憧れのお役で、いろいろな先輩の舞台が目にあります。梅玉のおじ様に教えていただけたらとおうかがいを立てたところ、快くお受けいただき、本当にありがたく、うれしく思いました。先日、さっそく稽古をつけていただきました。
松 也:もう一つ、うれしかったことがあるんでしょ。
隼 人:はい。チラシに『鈴ヶ森』とある隣に自分の名前があったこと。感動しました。高校生のときから浅草に出していただくようになって、年齢から考えたら大きな役をさせていただいているのですが、それでももっともっとと欲が出てくるのですよね。それがこうして…。
松 也:わかる! その後の大変さはさておき、本当にうれしいことですよね。そういう機会を与えていただけるのも、浅草ならではだと思います。
――最後は『棒しばり』。松也さんは自主公演「挑む」の2回目(平成22年)で次郎冠者をなさっています。巳之助さんは出身校の同窓会でお父様の三津五郎さんと、そして昨年の納涼歌舞伎では勘九郎さんと踊られました。
松 也:あのときの「挑む」は一日だけの公演でした。ですので、そのときに教えていただいた團蔵のお兄さんにもう一度見ていただき、ゼロからの気持ちで取り組みたいと思っています。團蔵のお兄さんは、(二世)松緑さんから、父(六世松助)とともに『棒しばり』を教わっていらっしゃる。いろいろなお話をうかがえればと思っています。
巳之助:僕は父に教わったことと、勘九郎さんと踊らせていただいた経験も踏まえて臨みたいと思います。松助のおじ様も父も菊五郎劇団で研鑽を積んだ先輩。そういう意味では、目指す先は同じになるのではと思っています。
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二代目 尾上松也(おのえ まつや)
二代目
尾上松也
(おのえ まつや)音羽屋
- 生まれ
- 昭和60年1月30日
- 家族
- 六代目尾上松助の長男。妹は新派女優の春本由香。
- 初舞台
- 平成2年5月歌舞伎座『伽羅先代萩』足利鶴千代で二代目尾上松也を名のり初舞台。
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二代目 坂東巳之助(ばんどう みのすけ)
二代目
坂東巳之助
(ばんどう みのすけ)大和屋
- 生まれ
- 平成元年9月16日
- 家族
- 十代目坂東三津五郎の長男。姉は女優の守田菜生。
- 初舞台
- 平成3年9月歌舞伎座『傀儡子』唐子で本名で初お目見得。7年11月歌舞伎座『蘭平物狂』一子繁蔵、『壽靱猿』小猿で二代目坂東巳之助を名のり初舞台。
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初代 中村壱太郎(なかむら かずたろう)
初代
中村壱太郎
(なかむら かずたろう)成駒家
- 生まれ
- 平成2年8月3日
- 家族
- 四代目中村鴈治郎の長男、祖父は四代目坂田藤十郎。
- 初舞台
- 平成7年1月中座『嫗山姥(こもちやまんば)』一子公時(きんとき)ほかで初代中村壱太郎を名のり初舞台。
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初代 中村隼人(なかむら はやと)
初代
中村隼人
(なかむら はやと)萬屋
- 生まれ
- 平成5年11月30日
- 家族
- 二代目中村錦之助の長男。
- 初舞台
- 平成14年2月歌舞伎座『寺子屋』一子小太郎で初代中村隼人を名のり初舞台。
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ようこそ浅草へ
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ようこそ浅草へ「新春浅草歌舞伎」、三年目の挑戦 後篇
若手の登竜門といわれる「新春浅草歌舞伎」は、芝居に対する“熱”はどこの劇場にも負けないと、毎年、新鮮な舞台を見せています。でも、それだけではありません。中心となる出演俳優が一気に世代交代して3年目の今回は「ステップアップした私たちをご覧いただけるように」と、それぞれが強い気持ちで挑みます。後篇も公開!
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ようこそ浅草へ「新春浅草歌舞伎」、三年目の挑戦 前篇
若手の登竜門といわれる「新春浅草歌舞伎」は、芝居に対する“熱”はどこの劇場にも負けないと、毎年、新鮮な舞台を見せています。でも、それだけではありません。中心となる出演俳優が一気に世代交代して3年目の今回は「ステップアップした私たちをご覧いただけるように」と、それぞれが強い気持ちで挑みます。
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ようこそ浅草へ――後編
自分たちが新しい浅草歌舞伎の幕を開ける! 熱意を舞台にぶつけ、一人でも多くのお客様に楽しんでいただきたいと奮闘する三人が、演じる役のことを語る後編です。