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【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
蔵はもちろん、本社内にはところ狭しと小道具が収納されている。その数え切れないほどの道具類を管理するのが「管理部」、駕籠やつげ足、経師など必要な小道具を新たに製作するのが「工作部」、そして公演中、各劇場で実際の舞台を担当するのが「演劇部」と、それぞれ担当が分かれている。
「一言でいうと、幕から中の小道具を扱う仕事、それがわれわれ小道具方です。建物を作るのは大道具ですが、小道具はその建物に付随する内装から、役者の持ち物までを担当します。でも、歌舞伎の場合、さまざまな決まりごとがありますよね。同じ狂言でも各々の家によって持ち物が微妙に異なったり。いまは文献に加えて、DVDなどの映像資料も豊富なのでだいぶ助けられますが、やっぱり舞台を自分の目で観て、肌で吸収しないとわからない。歌舞伎を担当するまでには、10年は勉強が必要ですね」
翌月の出し物が決定すると、各劇場付の責任者は資料を揃え、役者と打ち合わせるのと同時に、本社の管理部、工作部に必要な小道具の依頼をする。
「管理部は管理部で細かく担当が分かれています。例えば、刀剣・鎧担当とか、煙草入れや煙管などの担当とか、収納しているフロアによってそれぞれ管理のプロがいるんです。彼らの知識は、それは凄いものですよ。そんなプロに相談しながら、すぐに出せるもの、直すもの、埼玉の倉庫から出すもの、新たに作るもの……と、一つずつ揃えていく。そして舞台稽古の前に劇場に納めるんです」
1階の搬出口で運び出されるのを待つ小道具。雑然としているようでいて担当者にはしっかり、行き先がわかるようになっている
行灯だけでもこんなにたくさん! 行灯は藤浪小道具の工作部が作成している
右:この箱の中に仕分けして小道具が入れられる。歌舞伎座の舞台裏や楽屋にはいくつもの「藤浪小道具」と書かれた箱が置かれている 左:小道具一筋50年の湯川彰社長
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化粧をすませ、衣裳を纏い、かつらをつけた俳優たちが、役に入る〈最後の仕上げ〉=それが小道具。この連載も今回が最終回。その仕上げに、小道具の世界を探訪したい。
第5回目は〈大道具〉の世界。絢爛な歌舞伎の舞台を彩る最も巨大な美術品=大道具の製作現場を紹介しよう
歌舞伎の役とそれを演じる役者の体型に合わせて巧みに結い上げ、舞台へと送り出す床山。それはまさにカタチに残らない〈美術品〉なのだ。
今回ご紹介するのは「かつら」の世界。艶やかな黒髪から、獅子のようなワイルドなかつら、それは繊細な手作業の積み重ねによって生みだされるのです。
第2回目は、前回に引き続き衣裳編。タイトな時間のなか楽屋で行われる「着付け」とはどんなものなのでしょう?
華やかな舞台を彩る「衣裳」の世界。オリジナルの生地を仕上げる工程から縫製まで、その技術に迫ります。