
【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
歌舞伎の舞台には、影がない?!
「歌舞伎の照明」と突然言われても、ピンとこない方も多いと思います。それはあまりに自然に存在していて、単に舞台を明るく照らしているだけのようにも見えます。しかし、そこには独特の美意識に裏打ちされた奥深い世界が広がっている、というのです。そこで歌舞伎の照明プランナーである池田智哉さんにおはなしをうかがいました。
「歌舞伎の照明の特徴をひとつ言うとしたら、くっきりとした強い影が出ないように光をつくっている、ということがあげられます。昔の歌舞伎の灯りは、自然光とろうそく。その光はやわらかで、スポットライトのような強い陰影はできませんよね。歌舞伎では、古式に近いそんな灯りを理想としています。 演目によっては青などの色を用いることもあるそうですが、基本的にナマだけで、多様な表現に挑んでいる歌舞伎の照明。技術というよりも、芸の世界であることが感じられます。
|