歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



賢い足袋の選び方、扱い方

完成した扇をおさめておくための桐箱。

  東扇堂では、歌舞伎の扇だけでなく、日本舞踊のための特注品も多く手がけています。たくさんある商品から選んで買い物をするという一般の小売店ではなく、既製品にはない自分だけのこだわりの扇が欲しいという舞踊家の方などが訪れる、いわば扇のオートクチュールの店です。

 「扇の見本を見ていただきながら、色をお好みに合わせて変えたり、花を大きくしたり、葉を少なくしたり。ご希望の図案で作り上げることができます。また、こちらでお買い求めの品であれば、扇の要を調節してお好みに開き加減にするなど、調整や修理にも対応しています」

 日本舞踊や茶道などをはじめ、和のお稽古事では、ご挨拶をする際に、自分の前に扇を置き、畳に手をついて一礼するのがしきたりです。扇は、相手をうやまうために自分を一段低くするための境界線、つまり結界(けっかい)を意味しているのです。

 扇は、日本文化の象徴。お気に入りの1本を手元において、扇を美しく扱う練習をしてみるのも楽しいかもしれませんね。

東扇堂
住所: 東京都台東区雷門2-3-5
交通: 地下鉄銀座線、
浅草線「浅草駅」より徒歩3分
電話: 03-3841-5820

東扇堂は、浅草の雷門から歩いて数分の場所にある。
明治初期に神田で開店し、この地に移った。花街全盛のころは、扇屋の数は今よりはるかに多かったという。

文/田村民子、写真/TONY、構成/黒田幸(編集部)

歌舞伎の逸品

バックナンバー