【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
最新トレンドと、粋な下駄のはき方
さんぺい日和下駄。芸者さんが好んではくという粋な下駄。さんぺいとは、歯の裏にゴムが貼ってあることをさす。
近年では、若い女性の間でも浴衣がブームとなり、少しずつ和装への関心も高まっています。そこで、粋な下駄のはき方や今年の流行などについて、田中さんに教えていただきました。
「下駄はね、かかとが台からちょっとはみ出るくらいのサイズではかないとおかしいですよ。それから、鼻緒の奥までぐっとはきこまずに、親指と人差し指で挟むような感じではくと、いい格好になります。
下駄はカラコロと音がするところがいいのですが、ホテルや劇場などでは遠慮しなくちゃいけません。でも、歯がなくて草履のような形をした舟形(ふながた)下駄※なら、音がしないのでいいんじゃないでしょうかね。近年は、三味形(しゃみがた)とか、畳表の下駄が流行していますね」
昔から料亭の下足番は、履物を見てお客の力量をはかったと言われます。履物の世界は想像以上に奥深く、おしゃれな方はかなりこだわるとのこと。この夏はまず下駄を選び、それに合わせてコーディネートしてみるのも楽しいかもしれませんね。
舟形下駄(※)草履下駄、船底下駄ともいう。
印伝(いんでん)の鼻緒の舟形下駄。印伝とは鹿革に漆で細工をほどこしたもの。 |
正絹本天の鼻緒の舟形下駄。正絹本天の鼻緒は、足あたりが一番よいとされている。 |
シャープな形が目を引く、三味形の下駄。 |
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歌舞伎の逸品
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