【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
お手入れと棹の分解
棹を組み立てる敏雄さん。頼もしい跡継ぎさんがいらしていいですね、と水を向けると「自分にだけ跡継ぎがいても、部品や他の仕事をしてくれる人がいてくれないとだめなんだよ」。強い危機感をいだいておられたことが印象的だった。
制作途中の三味線。各パーツの形はどれも美しい。
少し前の時代まではお稽古事で三味線に親しむ人も多く、敏雄さんのお祖父さんの頃には皮の張り替えの依頼が500件を越すこともあったそうです。「三味線屋は作るだけでなく、買ってくださる人に扱い方も教えています」と敏雄さん。そこで、お手入れの仕方などを教えていただきました。
「弾き終わったら片づける前に、乾いた布などで棹、胴、そして皮も忘れずに拭いてください。三味線の棹は3つに分解できますが、そのやり方を知らない人も多くなってきましたね。ばらす時は、三味線の表側を自分の方に向けて、上のほうからはずしていきます。つなげる時は、裏側を自分に向けて、下から組み立てていきますが、三味線をななめにせず直角に立てて組み立てること。そうしないと、ぐっと押さえたときに、つなぎ目のほぞと呼ばれる部分が折れてしまいます」
三味線は弾けるようになるまで時間がかかる手強い楽器のひとつですが、膝に抱えた独特の重み、びーんと至近距離で響く倍音のかかった音色は格別の魅力があります。三味線音楽がわかると歌舞伎もまたぐっと面白くなります。興味のある方は、はじめてみてはいかがでしょうか。
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歌舞伎の逸品
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