歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



黄色い花は、昔はなかった?!

黄色い花の入ったかんざし。黄色があるとやわらかく調和した雰囲気となる。

芸者さんから注文のあったかんざしを記録した古い写真。「おもしろい要望もあって、屋形船の形をしたかんざしの中に電球を仕込んだこともありました。帯のあたりでスイッチを入れて点灯させるんです(笑)。お客さんも盛り上がったんじゃないでしょうか」

 つまみかんざしを通じて、歌舞伎や日本舞踊、花柳界と関わり続けてきた青木さん。昔と今、時代の変化を感じられる点について、うかがってみました。

 「歌舞伎でいうと、昔はもっと色が強かったですね。それが今はだんだんと明るい色調になってきました。それに昔は黄色(ウコン)は使わなかったのですが、このごろは入るようになりましたね。

 亡くなられたある俳優さんから、『昔のままを踏襲しているだけじゃいけないよ』と、形や色など細かく教えていただいたことがあったのですが、それは大変勉強になりましたね」


 時代に合わせ歌舞伎も生き物のように変化していますが、つまみかんざしも少しずつですが姿を変えているようです。こうしたディティールにも注目しながら舞台をご覧になっていくと、面白い発見があるかもしれませんね。


舞花
住所:東京都荒川区荒川6-49-8
TEL&FAX:03-3895-0928
*歌舞伎の床山や日本舞踊、演劇、テレビなどからの注文に専念しているため、一般のお客様からのお問い合わせはご遠慮いただいております。
文/田村民子、写真/トニータニウチ、構成/黒田幸(編集部)

歌舞伎の逸品

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