【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。
着物用のメイクで、和美人に
口紅は、普段使いのものとは別に着物用の色を用意しておきたい。
ファンデーションの色は洋服のときよりも一段明るめに。着物の色合いにもよるが、一般的に目元は紫系の色が合いやすいそうだ。
御化粧皿、御化粧へら、越前漆器の職人の手による化粧容器。
白塗りをして目はりを入れてもらうと、不思議なもので自然と口数も少なくなり、おしとやかな気分になります。化粧で気持ちが変わることを少しですが体感させていただきました。ところで、私たちが日常で着物を着た際は、どんな化粧をしたらいいのでしょうか。
「洋服のときの化粧は、陰影をつけて顔の彫りを深く見せようとしていると思いますが、和装のときはその逆。立体感のない顔にするほうが着物には合うんですよ。眉は、眉頭のほうは少し延ばして、眉尻のほうは長くひっぱらないこと。あまり細くすると老けて見えますから気を付けてくださいね。
目元は強くしないで、おだやかに。それから口紅は、オレンジ系よりも赤みのある淡い色が無難にまとまると思います。和装の時は、戦う顔をつくらないように心がけるとうまくいくと思います」
日本人の顔は本来のっぺりと平坦なつくり。それを負ではなく、プラスにとらえた日本化粧は、日本女性に本当の意味の自信を与えるものであるような気がしました。みなさんも、着物でお出かけの際は、和のお化粧にしてみてはいかがでしょうか。
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歌舞伎の逸品
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