公演情報詳細
歌舞伎座百三十年 | ||
吉例顔見世大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2018年11月2日(金)~26日(月)
劇場:歌舞伎座
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演目と配役
昼の部
川口松太郎 作
大場正昭 演出
一、お江戸みやげ(おえどみやげ)
お辻 おゆう 阪東栄紫 お紺 鳶頭六三郎 市川紋吉 文字辰 | 時蔵 又五郎 梅枝 尾上右近 吉之丞 笑三郎 東蔵 |
福地桜痴 作
二、新歌舞伎十八番の内 素襖落(すおうおとし)
太郎冠者 太刀持鈍太郎 次郎冠者 三郎吾 姫御寮 大名某 | 松緑 坂東亀蔵 巳之助 種之助 笑也 團蔵 |
河竹黙阿弥 作
花街模様薊色縫
三、十六夜清心(いざよいせいしん)
浄瑠璃「梅柳中宵月」 清元栄寿太夫 初お目見得 |
清心 十六夜 恋塚求女 船頭三次 俳諧師白蓮実は大寺正兵衛 | 菊五郎 時蔵 梅枝 又五郎 吉右衛門 |
夜の部
一、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
石川五右衛門 右忠太 左忠太 真柴久吉 | 吉右衛門 歌昇 種之助 菊五郎 |
二、文売り(ふみうり)
文売り | 雀右衛門 |
奈河七五三助 作
石川耕士 補綴
三、隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)
法界坊
序 幕 向島大七入口の場より 大喜利 隅田川渡しの場まで 浄瑠璃「双面水澤瀉」 |
〈法界坊〉 〈双面水澤瀉〉 | 聖天町法界坊 五百平 おくみ 野分姫 手代要助 番頭長九郎 代官牛島大蔵 講中の比丘尼 おらく 大阪屋源右衛門 道具屋甚三 法界坊の霊/野分姫の霊 おくみ 手代要助実は松若丸 渡し守おしづ | 猿之助 巳之助 尾上右近 種之助 隼人 弘太郎 吉之丞 寿猿 門之助 團蔵 歌六 猿之助 尾上右近 隼人 雀右衛門 |
みどころ
昼の部
一、お江戸みやげ(おえどみやげ)
ユーモアと哀歓に満ちた人情物語
梅のほころぶ湯島天神にやってきた、結城紬の行商人が二人。倹約家のお辻は、金勘定にも大らかなおゆうから、江戸土産にと境内の宮地芝居に誘われると、人気役者の阪東栄紫に心奪われてしまいます。栄紫にはお紺という恋人がいますが、強欲な養母常磐津文字辰がお紺を妾奉公へ出そうとしていることを知って、初めて惚れた男のためにひと肌脱ぐと言い出すお辻。果たして、お辻にとってのお江戸みやげとは…。
人情の機微を描き、数々の名作を残した川口松太郎の昭和36(1961)年初演の作品。性格の対照的なお辻とおゆうのやりとりが楽しい心温まる人情物語をお楽しみください。
二、新歌舞伎十八番の内 素襖落(すおうおとし)
喜劇味あふれる舞踊劇
太郎冠者は、主人である大名の使いで、その伯父のもとを訪れます。そこで、美しい姫御寮に酒を振る舞われ楽しく過ごすと、餞別に素襖まで与えられて帰ります。すっかり酔っ払った太郎冠者は、主人に知られては一大事と素襖を隠しますが、酩酊して上機嫌で小舞を舞ううちに…。
狂言を元にした松羽目物の舞踊劇で、酔態を見せながらも物語を聞かせて舞を踊り、必死に素襖を隠すなど面白みにあふれる作品です。
三、十六夜清心(いざよいせいしん)
情緒豊かな清元と清心の名ぜりふ
鎌倉極楽寺の僧である清心は、遊女の十六夜と深い仲であることが発覚し、女犯の罪で寺を追われてしまいます。十六夜が自分の子を宿しているのを知り、心中を決意して川に身を投げる二人。しかし、十六夜は舟遊びをしていた俳諧師白蓮と、船頭の三次に救われ、一方の清心も水練に堪能であったために死に損ないます。やがて清心は、癪を起こして苦しむ恋塚求女を助けた拍子にその懐の大金に触れ…。
情趣あふれる清元と、清心の名ぜりふで知られる河竹黙阿弥の名作。今回は、清元の浄瑠璃方の名跡を襲名した尾上右近が、清元栄寿太夫として初お目見得をいたします。
夜の部
一、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
絢爛さと豪快さにあふれる一幕
桜の咲き誇る南禅寺の山門の楼上。天下の大盗賊石川五右衛門が煙管をくゆらせながら景色を眺めていると、一羽の白鷹が血染の遺書を咥えて飛んできます。これを読んだ五右衛門は、自らが真柴久吉に討たれた大明国の宋蘇卿(そうそけい)の遺児であることを知ります。そこへ楼門の下を一人の巡礼が通りかかり、声をかけてきますが、実はこの巡礼こそ真柴久吉で…。
絢爛たる色彩美と様式美満載の舞台をご覧いただきます。
二、文売り(ふみうり)
清元の洒落た人気舞踊
逢坂山の関所に、結び文をつけた梅の枝を担いで現れたのは文売り。男女の良縁を願う恋文を売り歩く文売りは、一人の男をめぐって二人の傾城が争う様子を話して聞かせます。
「しゃべり」の技巧をもちいた本作は、せりふと清元の掛合で登場人物を演じ分けていく面白さをお楽しみいただきます。
三、隅田川続俤(すみだがわごにちのおもかげ)
悪党ながらもどこか憎めない法界坊
色と欲におぼれた聖天町の法界坊は、浅草龍泉寺の釣鐘建立の勧進をして歩き、集めた金を道楽や飲み食いに使ってしまう生臭坊主。永楽屋の娘おくみに恋慕していますが、おくみは手代の要助と恋仲なので、相手にされません。この要助はというと、実は京の公家吉田家の嫡男松若丸で、紛失した御家の重宝「鯉魚(りぎょ)の一軸(いちじく)」を探すために身をやつしています。許嫁の野分姫が奴五百平を供に江戸にやってくるなか、おくみの尽力でようやく一軸を取り戻す要助。しかし、法界坊の邪魔が入り、大事の一軸をすり替えられた挙げ句、間男の嫌疑をかけられてしまいます。その窮地を道具屋甚三が救いますが、苛立ちが収まらない法界坊は野分姫まで無理やり口説こうとして…。
悪党ながら茶目っ気とユーモアのある法界坊。舞踊「双面」では、法界坊と野分姫の合体した霊を一人で演じ分けるのもみどころです。
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