公演情報詳細
中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露 | ||
六月博多座大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2016年6月2日(木)~26日(日)
劇場:博多座
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演目と配役
昼の部
一、君が代 松竹梅(きみがよ しょうちくばい)
松の君 竹の君 梅の姫 | 友右衛門 錦之助 廣松 |
二、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
粂寺弾正 小野左衛門春道 八剣玄蕃 民部弟秀太郎 小野春風 錦の前 玄蕃一子数馬 秦民部 百姓万兵衛 腰元巻絹 | 松緑 團蔵 亀三郎 尾上右近 米吉 廣松 廣太郎 亀寿 権十郎 孝太郎 |
一谷嫩軍記
三、熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷次郎直実 源義経 経盛室藤の方 梶原平次景高 堤軍次 白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清 熊谷妻相模 | 仁左衛門 時蔵 菊之助 松之助 錦之助 歌六 芝雀改め雀右衛門 |
岡村柿紅 作
四、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
山蔭右京 太郎冠者 侍女千枝 同 小枝 奥方玉の井 | 菊五郎 松緑 尾上右近 米吉 左團次 |
夜の部
一、双蝶々曲輪日記 引窓(ひきまど)
南与兵衛後に南方十次兵衛 女房お早 母お幸 三原伝造 平岡丹平 濡髪長五郎 | 仁左衛門 孝太郎 竹三郎 権十郎 友右衛門 左團次 |
二、五代目中村雀右衛門襲名披露 口上(こうじょう)
芝雀改め雀右衛門 藤十郎 幹部俳優出演 |
三、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
十種香
八重垣姫 腰元濡衣 原小文治 白須賀六郎 長尾謙信 花作り蓑作実は武田勝頼 | 芝雀改め雀右衛門 時蔵 松緑 菊之助 左團次 菊五郎 |
四、女伊達(おんなだて)
女伊達木崎のお菊 男伊達淀川の千蔵 同 中之島鳴平 | 菊之助 亀三郎 亀寿 |
みどころ
昼の部
一、君が代 松竹梅(しょうちくばい)
襲名公演を寿ぐご祝儀物で、「君が代の濁らで絶えぬ」の歌詞で始まり、常緑の松の長寿、気品の高い竹の姿、春の先駆けを告げる梅の香とそれぞれのめでたさを舞う典雅な舞踊です。
二、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
歌舞伎十八番の一つ。使者として小野家を訪れた粂寺弾正は、髪の毛が逆立つ奇病にかかっている姫の姿を見て驚きます。弾正が思案しながら毛抜で髭(ひげ)を抜いていると、不思議なことに突然毛抜が立ちました。これを見て姫の奇病の原因に気づいた弾正は、小野家横領を企む悪家老を斬って悠々と帰還します。
豪快な弾正が事件を解決しながら、明るくユーモアたっぷりに活躍する荒事の一幕をお楽しみください。
三、熊谷陣屋(くまがいじんや)
雀右衛門襲名披露狂言。「平家物語」で名高い「敦盛最期」を題材にした作品。
一谷の合戦で平敦盛を討った熊谷直実は、息子小次郎の初陣を気にかける妻相模と我が子平敦盛の身を案じる藤の方にやむを得ず敦盛を討った次第を語り、大将源義経のもとに敦盛の首を届けようとします。その時奥から義経が現れ、この場で首実検をします。熊谷が敦盛の首を差し出すと、そこにあったのは熊谷の一子小次郎の首。義経の意を汲んだ熊谷は、後白河法皇の落胤である敦盛を救おうと我が子を身替りにしたのでした。
重厚さの中に戦争の無残さと人生の無常を描いた義太夫狂言屈指の名作をご覧ください。
四、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
狂言『花子』を舞踊劇に仕立てた作品。大名山蔭右京は愛人花子から恋文をもらいますが、妻の玉の井が怖くて出かけられません。一計を案じた右京は一晩座禅をすると騙し、太郎冠者を身替りにして花子のもとへ向かいます。しかし、それが玉の井に知られ、玉の井が太郎冠者と入れ替ります。知らずに戻った右京はそこにいるのを太郎冠者と思い、花子との逢瀬を語ります…。
浮気な恐妻家とやきもち焼きの妻、どの時代も変わらぬ夫婦のおかしさを綴り、二人のやり取りが笑いを生みます。
夜の部
一、双蝶々曲輪日記 引窓(ひきまど)
世話物の名作。八幡の里に住むお幸には、先妻の子の与兵衛と、幼い頃養子に出した実子で相撲取りの濡髪長五郎という二人の子がいます。その長五郎が思いがけず訪ねてきた後に、代官所に召された与兵衛が郷代官に取り立てられ意気揚々として帰ってきます。その初仕事は殺人犯の長五郎を捕まえることでした。長五郎を助けたいと思う義母の言動から、手柄を諦めて長五郎を見逃す決心をします。
待宵の夜、あかり取りの引窓を使った展開に趣向があり、義理と人情、親子の恩愛の狭間で苦しむそれぞれの人物の心情が細やかに表現されています。
二、五代目中村雀右衛門襲名披露 口上(こうじょう)
襲名公演に欠かせない一幕。五代目雀右衛門の襲名が披露され、一座の幹部俳優が襲名を祝うご挨拶を申し上げます。時代を超えて俳優の名跡と芸が継承されることを示す行事です。
三、本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう) 十種香
『本朝廿四孝』の中の一幕で、八重垣姫は「三姫」と呼ばれる姫の大役の一つ。雀右衛門の襲名披露狂言です。
長尾家の八重垣姫は許嫁の武田勝頼が死んだと聞かされ、絵像の前で十種香を焚き面影を偲んでいました。ところが、座敷を見ると絵像の勝頼に瓜二つの男がいます。姫は思わずすがりつきますが、男は自分は簑作という新参者で人違いだと突っぱねます。しかし姫は諦めず、腰元濡衣に頼んでなおも迫り、遂に彼が本物の勝頼だと知ることになります。姫の一途な恋心を、歌舞伎の様式美豊かに描いていく一幕です。
竹本の語りに乗ったクドキと呼ばれる女方の演技がみどころで、優雅な動きで姫の激しい恋心を表現します。二枚目の勝頼、﨟長けた腰元濡衣、剛毅な武将の謙信、二人の対照的な討手と典型的な役柄がそろい歌舞伎美を盛り上げます。
四、女伊達(おんなだて)
江戸の吉原を舞台に、江戸の女侠客が上方の男侠客を相手に颯爽とした姿を見せる舞踊。すっきりとした姿、小粋な振る舞い、所作立てと呼ばれる立廻りとみどころいっぱいの華やかな舞台です。
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