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亀治郎「風林火山」への意気込み

 亀治郎「風林火山」への意気込み

 4月日生劇場『風林火山-晴信燃ゆ-』で、武田晴信と山本勘助の二役を演じる市川亀治郎と、脚本・演出の石川耕士が記者懇親会を開き、舞台への思いを語りました。

 

市川亀治郎―――

亀治郎「風林火山」への意気込み

 1年間、NHKの『風林火山』を千葉さんとご一緒させていただき、テレビでは描かれていない、板垣と晴信の物語をぜひ千葉さんと一緒に舞台でやりたいと思うようになったのがこの舞台のきっかけです。

 まず、脚本を誰にお願いするか・・・これは僕の中では石川耕士さんしかいらっしゃいませんでした。スーパー歌舞伎などでご一緒させていただいており、僕の呼吸を良く知って下さっています。それに大河ドラマも大好き(笑)。千葉さんは「芝居は脚本が第一。いくら役者が良くても演出がよくても、脚本がよくなければ成立しない」という考えをお持ちの方です。その点でも石川さんはぴったりで、事前に何度も打ち合わせさせていただき、我々の意向を十分に汲んでいただく事ができました。

 美術には『決闘!高田馬場』でご一緒した堀尾幸男さん。照明には、堀尾さんと一緒に舞台を手がけてらっしゃる塚本悟さん。音楽はNHK大河ドラマ同様、千住明さん。舞台監督にはスーパー歌舞伎でご一緒していた井口祐弘さん。この舞台に向けて、まさに最強のスタッフが揃いました。

 続いて出演者について。井上靖原作の「風林火山」では山本勘助という人物がとても大切な位置づけで、主役の僕が晴信と勘助の2役を演じることが、井上先生の思いを伝えられる最良の方法なのではないかと思い、私が勘助も勤めることになりました。

 弟の信繁を嘉島典俊さん、信廉を松尾敏伸さん、そして馬場信春を高橋和也さんと、皆テレビで一年間ご一緒した方々です。彼らが出演して下さる事で『風林火山』の世界が舞台にパッと出現するのではないかと感じています。

 由布姫は坂東三津五郎さんの長女で、この舞台が女優デビューの守田菜生さん。三条夫人は日本舞踊尾上流の家元、尾上菊之丞さんの長女の尾上紫さん、於琴姫の大和田美帆さんは、明るくてとても良いキャラクターです。武田信虎は新国劇代表で笠原章さん。三枚目と二枚目が同居する駒井政武、これは橋本じゅんさん以外考えられません。そして大井夫人は仁科亜季子さん。とても良い配役が組めて大変嬉しく思っています。

石川耕士―――

亀治郎「風林火山」への意気込み

 今回の台本は、あえてオーソドックスに仕上げています。なぜなら、亀治郎さんが芸術的な目をお持ちなので、オーソドックスな脚本に亀治郎さんの現代的な感性が入ることで、新鮮なものが生まれると思っているからです。

 以前、他の方が『風林火山』を劇化されたとき、「多くの先生方の昔のすばらしい脚本があるのに、なんで新しい脚本を作るの?」なんて自分も思ったことがありました。それが、今度は自分に火の粉が降りかかることになって(笑)、批評家の方々に同じ事を言われないようにがんばったつもりです。

 “晴信燃ゆ”とあるように、信玄になる前の若き日の晴信、つまり今回は“晴信編”です。苦しんだりもがいたりして、経験を重ねていく部分を中心に描いています。さらに、守り役である板垣と晴信との親子のような愛情、これがこの舞台の感動の核となる部分ですが、実際の千葉さんと亀治郎さんの普段の関係もまさにそうで、そのことが自然と芝居に深みを加え、さらに豊かなものにしてくれています。

亀治郎「風林火山」への意気込み

板垣役のJJサニー千葉について―――

亀治郎―――
 千葉さんに、花道の七三でせりふを言ってもらいたいとか、ぜひ見得をきってほしいとか、自分のそんな思いから、この舞台にお誘いしたくらいですから、千葉さん以外の板垣は考えないほど魅力的です。本当の事を言うと、晴信を人に演じてもらって、客席から千葉さんを見ていたいくらいです(笑)。

石川耕士―――
 脚本をとても大事にしてくださって、本を書く人間としてはご一緒できて最高に幸せです。すごく読み込んできて、口調もご自分で工夫して下さる。そして、その口調の選び方は、キャラクターが入っているからこその言葉が出てくる。他の役のセリフも含めて、一番脚本を読み込んでらっしゃるのではないでしょうか。


演じるだけでなく、舞台を作る事ついて―――

亀治郎―――
 猿之助さんのスーパー歌舞伎に若い頃から出演させていただいていて、物を作るためにはどのようにすれば最短距離で実現することができるのかを、そばで見てきました。今回その経験がとても生きていて、改めて大変ありがたく思っています。

 僕と石川さんが、「ここをどうしようか・・・」と話していると、つい「ここはスーパー歌舞伎でどうだった?」とか、「猿之助さんだったらどうやるかな?」とか、やっぱり猿之助さんの作り方になるんですね。それが無かったら短期間でここまで来ることはできなかったと思います。

石川耕士―――
 でも、猿之助さんとは似ていて違うんです。亀治郎さんは、その土台を元に発想しているけれど、世代が違うからかな、同じ方程式を使っていても違う答えがでてくるんです。それは見ていてとても新鮮で楽しいです。

亀治郎―――
 今回の舞台には、スーパー歌舞伎で学んだ事、テレビで学んだ事、例えば「NINAGAWA 十二夜」で蜷川幸雄さんから学んだ事や、「決闘!高田馬場」で学んだ事など、様々なところで学んできた要素が沢山入っています。そして、共演してくださる俳優の方皆さんが、自身を演出して僕らが考えてもいないような予想外な事をやってくれる・・・本当に新鮮で楽しいです。


『風林火山』への思い―――

亀治郎―――
 1年間ずっと関わり続けましたから、否が応でも思い入れが強くなっているところもありますが、歌舞伎の世界にいる自分には晴信の心境が良く理解できるんです。

 例えば、“芝の親父”と六代目菊五郎の事を言ったりする方がいます。歌舞伎では、肉親とは別の、芸の伝承の上での親子関係というのがあるんです。芸養子や部屋子といった制度もあるくらい、歌舞伎の世界では、教える側と教わる側はある意味で親子なんです。だから自分には晴信と板垣の関係が、非常に理解しやすく、とても共感できるんです。

  『風林火山 -晴信燃ゆ-』は日生劇場で4月5日(土)から。二役早替りや馬に乗っての宙乗りなど、市川亀治郎が歌舞伎の手法を取り込んで挑む新たな舞台に期待が高まります。


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亀治郎「風林火山」への意気込み

2008年03月29日

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