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松緑が二月堂で『達陀』の成功祈願を行いました

松緑が二月堂で『達陀』の成功祈願を行いました

 12月日生劇場「十二月大歌舞伎」で上演される『達陀(だったん)』に出演する尾上松緑が、奈良東大寺・二月堂を訪れ、舞台の成功祈願を行い、公演での意気込みを語りました。

尾上松緑
 約25年ぶりに東大寺を訪れましたが、お堂の中を拝見し、また舞台の成功祈願をしていただきまして、身が引き締まる思いがいたします。と同時に、お水取りはここで行われていたんだという事を、改めて実感し、確認をすることができました。

 祖父(二代目尾上松緑)が作った舞踊ですが、父(初代尾上辰之助)はこの僧集慶をせずに亡くなっております。平城遷都1300年という記念の年に、初役で集慶を勤めさせていただくことができるというのも趣深いご縁を感じておりますし、祖父や父への供養、追善の気持ちも込めて、12月の舞台を勤めさせていただきたいと思っています。 

松緑が二月堂で『達陀』の成功祈願を行いました

▲ 二月堂本堂で成功祈願に臨む松緑

 『達陀』は、踊り自体がストイックに作られていて、非常に清潔感のある作品ですので、たとえば廓を題材とした舞踊をする時の気持ちとは少し違います。言い換えれば"修行"に入るような気持ちで、練行衆を勤めていた頃から勤めさせていただいて参りました。

 また、祖父が残してくれた遺産という感覚も強い演目で、他の作品とは思い入れも変わってくるのですが、そういう気持ちも大切にしています。12月公演で、24日間集慶を勤めさせていただくことになれば、さらもその気持ちがより強くなるのではないでしょうか。

 理想とするのは、祖父の作ったものを基本形に、菊五郎さんからいただいたアドバイスをもとに、今の時代のお客様に添うような舞台を創り上げることです。また、去年、藤間の会でお弟子さんたちと『達陀』を上演させていただきました。それは藤間流の家元としての一つの大きな目標、夢でもありました。その経験を、今回の舞台に生かせるようにしていきたいと思っています。

 それにしても祖父の着眼点は凄いなと感じています。今日、東大寺の筒井院主様のお話を伺い、今まで、こういう回廊をのぼっているんだ、と頭の中で理解していたことが、より現実感をもって、二月堂のお堂と舞台とがきっちりとシンクロしました。祖父が集慶を勤めたときには、きっとこうした視線でいたであろうということを今日感じ取れたことは、とても嬉しいことです。

 集慶をさせていただくというのは、自分の事ばかりではなくて、例えば練行衆では各々の身長や体のことなども考慮しながら、どこにだれを配置するかなど、自分の中でまず舞台を作ってから稽古に臨む、そこから始まると思っています。そこでもし自分が消化できていなければ、この『達陀』を勤めさせていただく価値のない役者ということになります。最終的には菊五郎さんに見ていただくのはもちろんですが、それまでの自分のなかでの戦い、自分の中での整理の仕方というものが、これからの準備の半月、大事になってくると思います。

 そして、これからもずっと『達陀』を勤めていきたいと思います。今回の初役で勤めさせていただくこの舞台が、これから私が『達陀』を勤めていく基礎となるような舞台したいと思っています。生涯をかけて、上演を続けていきたいと思っています。

松緑が二月堂で『達陀』の成功祈願を行いました

▲ 二月堂から奈良市内を眺める筒井院主(左)と松緑

2010年11月10日

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