ニュース

玉三郎が「松尾芸能賞」大賞受賞、尾上右近は新人賞受賞

 「第39回松尾芸能賞」贈呈式 前列左より、森昌子(優秀賞)、猿若清方(優秀賞)、松尾國之財団法人松尾芸能財団理事長、坂東玉三郎(大賞)、藤田六郎兵衛(優秀賞)、後列左より、高田次郎(特別賞)、尾上右近(新人賞)、嘉数道彦(新人賞)、坂入清子(功労賞)

 

 

 3月28日(水)、「第39回松尾芸能賞」贈呈式が行われ、大賞を受賞した坂東玉三郎と、演劇部門の新人賞を受賞した尾上右近が出席しました。

 公益財団法人松尾芸能振興財団による松尾芸能賞は、「日本の文化・芸能の保存・向上に寄与した芸能出演者や演出・音楽・劇場芸能に高い技能を持つ人」に贈られ、昭和55(1980)年から始まって今年で第39回を迎えました。

 

玉三郎が「松尾芸能賞」大賞受賞、尾上右近は新人賞受賞

 玉三郎の贈賞理由としては、歌舞伎をはじめとする幅広い活躍、世界から注目されるアーティストとしての高い評価が挙げられ、「なかでも平成29年は『井伊大老』お静の方、『沓手月孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)』淀の方、『瞼の母』のおはま、『楊貴妃』で女方の至芸を見せるとともに、若手の指導やシネマ歌舞伎も手がけ、歌舞伎の伝承と普及に大きな功績を上げた」と、長年の功績とともに昨年の舞台の数々の顕著な成果が紹介されました。

 

 大賞受賞者として挨拶に立った玉三郎は、財団設立者の松尾國三氏や選考委員への感謝の言葉とともに、第2回の優秀賞受賞を振り返りました。そして、「今日、こうして大賞をいただき、たいへん光栄に存じます。芸道は一生精進でございます。できる限りのことをしてまいりたいと思います。ますます精進いたしまして、皆様に楽しんでいただける舞台をつくりたいと思っております」と語りました。

 

 お祝いに駆け付けたのは、昨年、『幽玄』の舞台で共演し、振付にあたった花柳壽輔氏。「『幽玄』では私一人での振付という大役をいただき、本当に多くのことを学ばせていただきました」と、玉三郎へ祝福とともに感謝を捧げると、「大きな作品に出合って大変な思いをすることで成長することもある。抱えられないのではないかと思うことに出合うことも、大切なのではないでしょうか。今後もこういう(日本の芸能の)世界を支えていく方々とご一緒し、できる限りのこと、経験をお話しできればと思っております」と玉三郎が返し、会場から万雷の拍手を受けていました。

玉三郎が「松尾芸能賞」大賞受賞、尾上右近は新人賞受賞

 右近は、舞踊や自主公演「研の會」での挑戦に加え、「平成29年はスーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』で2カ月間主役を勤めて優れた舞台をつくり上げ、意欲的な活動は今後、いっそうの活躍が期待されます」と、新橋演舞場での活躍が大きく評価されるとともに、2月に襲名披露した七代目栄寿太夫としての今後の活動にも期待が寄せられました。

 

 会場のVTRで、「生命の光を放つ演技が輝いています」と紹介された右近は、「このような歴史ある、重みある賞を頂戴いたしまして、本当にうれしく思っております。皆々様のおかげだと深く感謝しております。これからも精進し、生命の光をぴかぴかに輝かせる存在になっていきたいと思っております」と、力強く挨拶し、温かい拍手に包まれました。

 贈呈式後の取材でも右近は、「歌舞伎界でも尊敬、慕っている先輩方が、歴代受けていらっしゃる賞なので、僕もその背中を追いかけ、身を粉にして修業していきたいと思います」と、緊張の面持ち。しかし、玉三郎が、「第2回の優秀賞のときは精いっぱいで、何を話していいかわからなかった」と明かしたのを聞き、「今の状況のありがたみは、自分が受け止めている以上のことだと思いますが、うまく表現できません。でも、お兄さんもそうだったんだとうかがって、ものすごくほっとしています」と、ようやく笑顔をはじけさせました。

 

 「大賞をいただくことは、お褒めいただくことよりも、自分のなかでは、責任を負わなくてはいけないという意味が大きい。(受賞の栄誉を)けがさないようにしないといけませんし、(舞台や作品をご覧になる方に)なるほど、思っていただかないといけない努力をすることが大変だと思います」。最後に、受賞の喜び、感謝とともに、玉三郎はあらためて気を引き締め、今後に向けてますますの精進を誓いました。

 

 「第39回松尾芸能賞」 左より、演劇部門新人賞の尾上右近、大賞の坂東玉三郎、舞踊部門新人賞の嘉数道彦

2018年03月29日

月別ニュース一覧へ
ページの先頭へ戻る