みどころ


歌舞伎座

歌舞伎座百二十年

六月大歌舞伎

平成20年6月3日(火)~27日(金)


昼の部

一、新薄雪物語(しんうすゆきものがたり)

「新清水花見」
 清水寺へやって来た幸崎家の息女の薄雪姫(芝雀)と、園部兵衛の子息の園部左衛門(錦之助)は、それぞれの家臣である腰元籬(福助)と奴妻平(染五郎)との手引きにより恋仲となり、後日の再会を約束して別れます。
 一方、刀鍛冶の団九郎(段四郎)は、左衛門の奉納した刀にやすり目を入れ、左衛門を陥れようと画策します。これを見咎めた来国行を手裏剣で殺害したのは、全ての陰謀の首謀者である秋月大膳(富十郎)。
 そして大膳は薄雪姫から左衛門への艶書を手に入れると、これをもって幸崎、園部両家を取り潰そうと企てます。また大膳の家臣の渋川藤馬は、妻平が籬を妻にしたことを知って、その意趣返しにと奴たちと共に妻平を襲いますが、妻平はこれを打ち払っていくのでした。

「幸崎邸詮議」
 その後、薄雪姫のもとへ左衛門が通って来ますが、これを薄雪姫の母である松ヶ枝(魁春)が呼び止め、晴れてふたりを夫婦にするので、このまま帰るようにと諭します。
 そこへ幸崎伊賀守(吉右衛門)、上使の葛城民部(富十郎)と大膳の弟の秋月大学(彦三郎)、そして園部兵衛(幸四郎)が連れ立って現れます。実は先頃の大膳の企みによって、左衛門と薄雪姫に謀反の疑いがかかり、その詮議のためにやって来たのです。
 あらぬ疑いに左衛門と薄雪姫が困惑するところへ、ふたりの無実を知る来国行の遺骸が運ばれてきます。
 この遺骸の傷から民部は、全ては大膳の陰謀と悟り、左衛門を幸崎家へ、薄雪姫を園部家へ預けて詮議したいというそれぞれの父親たちの申し出を受け入れて、その場を後にします。

「園部邸広間・同合腹」
 薄雪姫を預かる園部家では、兵衛の奥方である梅の方(芝翫)が、その世話をしています。
ここへ兵衛が現れ、今回の一件が大膳の陰謀と悟りながらも証拠は無く、六波羅に捕らえられて薄雪姫が責め殺されてはと、腰元の呉羽(高麗蔵)らを供にして、館から落ち延びさせます。
 そこへ幸崎伊賀守からの使いである刎川兵蔵(歌昇)がやって来て、左衛門が全てを白状したので、清水寺へ奉納した太刀で首を打ったと語り、薄雪姫の首を打つようにと言上します。
 続いて幸崎伊賀守が首桶を手にして現れ、まもなく園部兵衛も首桶を携えて現れます。そしてふたりが首桶を開けると中にあったのは...。
 豪華配役で華麗かつ重厚な義太夫狂言の名作をお楽しみ頂きます。


二、俄獅子(にわかじし)

 多くの遊客で賑わう江戸の新吉原で、芸者(福助)と鳶頭(染五郎)が、賑やかに踊ってみせます。
 『相生獅子』の詞章を巧みに用いた、洒落た味わいの長唄舞踊を上演します。


夜の部


一、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)

  すし屋

 釣瓶すし屋の総領息子である権太郎(吉右衛門)は素行が悪く勘当され、妹のお里(芝雀)に奉公人の弥助(染五郎)を娶わせ、店を継がせることになっています。
 今日も権太は母のおくら(吉之丞)から金を巻き上げようとやって来ますが、そこへ父の弥左衛門(歌六)が戻ってくるので、その身を隠します。
 実は奉公人の弥助は平維盛で、弥左衛門は維盛の父重盛から受けた恩に報いるために、こうして匿っているのでした。
 夜も更け、お里は大胆にも弥助に迫りますが、弥助がこれを断るところ旅人が一夜の宿を乞います。
 この旅人こそ維盛の妻、若葉内侍(高麗蔵)と子の六代君で、弥助の素性を知ったお里は、これまでの無礼を詫びます。
 その時、権太が維盛を訴人しようと駆け出していきます。まもなく維盛の首を差し出すようにと梶原景時(段四郎)が入来し、権太が維盛の首と生け捕った妻子を梶原に渡します。
 そして梶原は、維盛の首実検を行い本物と見極めると、立ち去っていきます。
 権太の振る舞いに怒る弥左衛門は、息子を手にかけますが、権太の口から意外な事実が明かされ...。名作の誉れ高い作品を、好配役で上演する話題の舞台です。


二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)

 山蔭右京(仁左衛門)は、浮気相手の花子のもとへ通うために、仏詣でに出かけたいと奥方の玉の井(段四郎)へ申し出ます。
 玉の井はこれを拒絶しますが、腰元の小枝(隼人)、千枝(巳之助)のとりなしもあり、一日だけ座禅をすることが許されます。
 そして右京は太郎冠者(錦之助)を自らの身替りにして、花子のもとへ向かいますが...。
 狂言をもとにした松羽目舞踊の名作をお楽しみ頂きます。


三、生きている小平次(いきているこへいじ)

 ある旅一座の囃子方である太九郎(幸四郎)と、役者の小平次(染五郎)は古くからの友人ですが、小平次は太九郎の女房おちか(福助)との不義を明かし、おちかを譲ってほしいと申し出ます。
 これを聞いて怒る太九郎は小平次を舟から落として殺そうとしますが、小平次は生き延びておちかの前に現れ、一緒に逃げてくれと迫ります。
 ここへ太九郎が戻って来て、おちかと共に小平次を殺害し、江戸から逃げますが、太九郎は小平次が生きているという妄想にとり付かれ苦しみ続けるのでした。
 近代的な視点で描かれた怪談を、清新な配役で上演します。


四、三人形(みつにんぎょう)

 新吉原で今評判の傾城(芝雀)と、馴染みの若衆(錦之助)、そしてその供の奴(歌昇)が華やかに踊ってみせます。
 古風な振りを残す常磐津舞踊をご覧下さい。

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