歌舞伎座
歌舞伎座さよなら公演
二月大歌舞伎
平成21年2月1日(日)~25日(水)
昼の部
一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
加茂堤帝の弟斎世親王の舎人である桜丸(橋之助)は、妻の八重(福助)の手助けを得て、加茂明神に参詣した斎世親王(高麗蔵)と、菅丞相の養女の苅屋姫(梅枝)を牛車の中で逢引させます。しかしこれを悟った三善清行(松江)が現れるので、桜丸は牛車に近付く清行を打ち払います。この騒ぎの中、親王と苅屋姫は落ち延びて行きます。そこで桜丸は牛車を八重に任せ、自らはふたりの後を追うのでした。
賀の祝
佐太村に住む百姓白太夫(左團次)の七十の賀を祝う宴に、その子息で三つ子の兄弟である松王丸(染五郎)と妻の千代(芝雀)、梅王丸(松緑)と妻の春(扇雀)、そして桜丸と八重が揃うはずでしたが、桜丸だけが姿を見せません。やがて松王丸と梅王丸は喧嘩を始め、三つ子の名前の由来となっている菅丞相の愛樹である桜の枝を折ってしまいます。不吉な雰囲気が漂う中、宴も終わると、ひとり悄然とした桜丸が姿を現し...。
梅の季節にふさわしい義太夫狂言の名作を、清新な顔ぶれで上演します。
二、京鹿子娘二人道成寺
(きょうかのこむすめににんどうじょうじ)
春爛漫の道成寺に花子(玉三郎)と名乗る白拍子が現れますが、そこへもうひとりの花子(菊之助)が出現します。そしてふたりは、所化たちが見守る中、金冠の踊りに始まり、手踊りや、花笠、鞨鼓、鈴太鼓を使っての踊りなど、次々と艶やかに踊っていくのでした。平成十六年に歌舞伎座で初演された『娘二人道成寺』は、ふたりの花子が時には姉妹のように、時には陰と陽の存在となって踊る斬新な振付と演出が話題となりました。歌舞伎座では三回目となる上演をどうぞご期待下さい。
三、人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)
今日も博打で負けた左官の長兵衛(菊五郎)が帰宅すると、女房のお兼(時蔵)は娘のお久(尾上右近)がいなくなった旨を告げます。そこへ吉原角海老の藤助(團蔵)が現れ、お久が角海老にいることを告げます。実はお久は家の借金を払うために身を売ろうと、角海老に向かったのでした。この孝行心に胸をうたれた角海老の女房お駒(芝翫)は、長兵衛に五十両を貸し与えますが、長兵衛は五十両の掛け金を紛失し身投げしようとしていた和泉屋の手代文七(菊之助)にその金を差し出します。ところがこの話を信じないお兼は怒り、仲裁する家主の甚八(左團次)をよそに、夫婦喧嘩となります。ここへ和泉屋清兵衛(三津五郎)が文七を連れて現れ、昨日の長兵衛の情けに感謝して、五十両を返却します。続いて鳶頭の伊兵衛(吉右衛門)が一挺の駕籠を案内して来て...。
三遊亭円朝の人情噺を劇化した作品を、豪華配役で上演する話題の舞台です。
夜の部
一、倭仮名在原系図
蘭平物狂(らんぺいものぐるい)
奴の蘭平(三津五郎)は、須磨で別れた松風を恋焦がれる主人在原行平(翫雀)のために、松風と瓜二つのおりく(福助)と、その夫の与茂作(橋之助)を館へ連れてきて、行平の奥方水無瀬御前(秀調)と対面させます。何も知らない行平はおりくを松風と信じ、その機嫌も直りますが、館の内で曲者が騒ぎを起こすので、追っ手の役を蘭平の子繁蔵(宜生)に命じます。しかし我が子の様子ばかりを気にかける蘭平を見て、行平は怒ってこれを斬り捨てようとしますが、刃を見ると気絶する奇病のために蘭平は倒れ伏します。やがて気を取り戻した蘭平は、心乱れたまま狩衣を身にまとい踊りに興じます。まもなく繁蔵が曲者の首を打って戻ると、行平は繁蔵の働きを褒めて武士に取り立てるのでした。一方、与茂作は、行平を親の仇と言って詰め寄るので、行平はこれを捕らえて蘭平と勝負するように命じます。そこで与茂作が蘭平に斬りかかりますが、先ほどの奇病は起らず、蘭平は意外な話を語り始めます。
前半の物狂いの踊りと、後半の大立廻りが見どころの作品をご覧頂きます。
二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
武蔵坊弁慶(吉右衛門)の進言により、源義経(梅玉)は強力に、亀井六郎(染五郎)、片岡八郎(松緑)、駿河次郎(菊之助)、常陸坊海尊(段四郎)ら家臣たちは山伏に姿をかえて、都を落ちて行きました。富樫左衛門(菊五郎)の守る安宅の関は、義経主従を捕らえようと山伏の通行を固く禁じていますが、弁慶はある巻物を東大寺再建のための勧進帳と偽って読み上げ、富樫の質問に次々と答えていきます。こうして富樫は、一行の通行を許しますが、強力を見咎めてこれを呼び止めます。すると弁慶は金剛杖で義経を打擲し、富樫の疑いを晴らそうとします。この姿を見て富樫は、一行が義経主従と悟りますが、主君を思う弁慶の心に感じ入り、ついに関を通すのでした。
歌舞伎十八番のひとつで、屈指の人気演目でもある作品を上演する注目の舞台です。
三、三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)
大川端庚申塚の場夜更けの大川端を歩く娘は、実は女装の盗賊お嬢吉三(玉三郎)で、夜鷹のおとせ(新悟)の持つ百両を奪い取ります。一方、これを見ていたお坊吉三(染五郎)は、その金を巻き上げようとして、ふたりは争い始めます。しかしそこへ通りかかった和尚吉三(松緑)が、ふたりを仲裁し、今日の出会いをきっかけに三人の吉三は義兄弟の契りを交わします。
七五調の名台詞溢れる黙阿弥の作品をお楽しみ下さい。






