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團十郎が『助六由縁江戸桜』上演で豊洲の魚河岸会へ

團十郎が『助六由縁江戸桜』上演で豊洲の魚河岸会へ

 

 2026年5月3日(日・祝)から始まる、歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」夜の部、歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜』に出演する市川團十郎が、豊洲の魚河岸会で「江戸紫の鉢巻」の目録を受け取り、演目への思いを語りました。

 歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜』では、代々市川團十郎家の俳優が助六を勤める際、魚河岸へ挨拶に行き、旦那衆から舞台で使用する引幕と下駄と鉢巻が贈呈されていました。その伝統が今に受け継がれ、現在は助六が締める江戸紫の鉢巻が、魚河岸水神社と魚河岸に関する文化行事を守る魚河岸会から、助六を演じる團十郎家の俳優に贈られています。

 

 「團菊祭五月大歌舞伎」の開幕を前に、團十郎が豊洲の魚河岸水神社を訪れ、厳かな雰囲気のなか参拝し、公演の成功を祈願しました。魚河岸会から「江戸紫の鉢巻」の目録を受け取った團十郎は、「約350年間続いているこの風習が、魚河岸様と成田屋の間で紡がれていることに重要性を感じました」と述べ、令和4(2022)年11月、12月に行われた十三代目市川團十郎白猿襲名披露興行以来、4年ぶりの伝統行事を今回も無事に終えました。

 

江戸の情緒を

 江戸紫の鉢巻を締めた助六の姿は、まさに江戸の粋そのものです。「魚河岸様からはいつも江戸紫の鉢巻を贈呈していただくことが伝統としてありました。2026年の今、江戸というものに対しての感覚は、多くの方がお持ちになっていらっしゃらないかもしれませんが、『助六由縁江戸桜』という演目には、江戸の情緒があふれ、散りばめられています。そういったところを父(十二世市川團十郎)に教わったように演じられるようにしたい」と語ります。

 

 「私たちが伝承されたものを伝え、一方で、お客様が(その舞台を)噛み砕いて理解して楽しんでくださることで、江戸の情緒を感じていただけるのでは」と、お客様への思いも明かします。「『助六由縁江戸桜』には、江戸の総決算とも言えるお祭り的な要素があり、そういったものを昔の形のままお客様にお見せして、楽しんいただくことが一番大切です」と思いを込めます。

 

 

團十郎が『助六由縁江戸桜』上演で豊洲の魚河岸会へ

 

共演者たちへの思い

 今回の助六は自身の襲名披露以来であり、八代目尾上菊五郎もまた襲名披露以来、初めての揚巻として舞台をともにします。「父と七代目(菊五郎)のおじさまと同じように、その倅たちが同じ年に生まれ、同じように歌舞伎をしている。運命共同体のようなものです」と、並々ならぬ思いを述べ、「私たちがつくっていく時代の一つの始まりと捉えていただきたいですし、自分たちもそう考えたいと思っています」と、決意をのぞかせます。

 

 今年の團菊祭では尾上左近が三代目尾上辰之助を襲名します。「襲名は、歌舞伎ではとても大きなことです。私たちが先輩たちに支えられてきたように、私たちもそのような(後輩を支える)世代となってきました。少しでも舞台に花を添えられるような役者として出られればと思っています」。左近については、「実直な雰囲気」と印象を述べ、「(立役も女方も勤める)兼ねる役者として大成されることと思います」と、期待を込めました。

 

 演目の冒頭に裃姿で口上を勤めるのは現在13歳の長男・市川新之助です。「彼自身が今後、福山かつぎなどの他のお役や、ゆくゆく海老蔵を襲名する際には助六を勤めることと思います。そのようなさまざまなチャレンジをするときに、自分が口上を勤めたという経験が、この『助六由縁江戸桜』という演目を再び理解をし直すということに繋がってくれば」と未来を見据えながら、「私も新しい境地に進まなければいけません。私たちもようやく少し成熟した世代になってきましたので、新しい歌舞伎の時代の始まりをご覧いただければと思います」と、決意を明かしました。  

 歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」は、5月3日(日・祝)から27日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2026/04/27