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愛之助『もとの黙阿弥』初日を前に
8月1日(土)から始まる新橋演舞場『もとの黙阿弥』で、片岡愛之助ほか出演者が初日に向けての意気込みを語りました。
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「演出の栗山さんいわく“井上ひさしコント集”と思って観てください、というくらい喜劇です。おおいに笑っていただけたら」と、作品を紹介した愛之助。各場面それぞれがみどころで面白く、「自分が客席に座って、観たいです」と言ったのは愛之助だけではありませんでした。
そのみどころの一つとして挙げられるのが、劇中劇。「ミュージカルのような劇中劇、写実劇、そして、歌舞伎芝居。楽しめます」と太鼓判を押した愛之助自身は、「歌舞伎をやったことのない人間が少し教わって演じる設定なので、貫地谷さんを見習ってやろうと思ったのですが、貫地谷さんがうまいので、上手にならないようにと言っていたんです」。言われた貫地谷しほりは、「愛之助さんは下手にやっても、身のこなしが美しい」と話し、「私は歌いませんが、家でもずっと歌ってしまうような素敵な歌もあります」と紹介。
劇中劇のオペレッタで歌っているのは、早乙女太一と真飛聖です。「宝塚で鍛えられた歌を披露する真飛さんと一緒に歌う、もう死ぬほど嫌な思いなんですけど、負けそうな気持ちに負けないで頑張ります」と自分に気合いを入れた早乙女。その隣で真飛は、「とてもテンポ感のある話ですし、人が入れ替わりで違う人物になることで、いろいろなことが見えてくる話。きっとご覧になる皆さんもその世界に引きずり込まれてしまうと思います」と、作品の魅力を語りました。
狂言回しのように芝居全体を引っ張る坂東飛鶴役の波乃久里子は、「井上作品って本当に素晴らしい」と、あらためて作者に感服したと言います。「俳優として言いたいせりふがいっぱいあるんです。井上作品は正確に言わないとよさがわからないけれど、言葉尻までしっかりせりふを守ると素晴しい舞台になります。覚えるのは困難ですけど、覚えると言うのが楽しい」と、脚本の魅力を語りました。
「皆さんが全部言ってくださったので、…とにかく頑張ります!」と、元気よく大きな声を出した浜中文一は、幕開きからかっぽれを踊り、劇中劇のオペレッタでは早乙女、真飛にも負けじと歌も披露と、言葉どおりの頑張りを見せます。
井上ひさしの芝居が、ただ笑うだけのわけはありません。「今の日本を重ね合わせてみると、なるほどと思うところがたくさん見つかると思います。笑うだけでなく、ご覧になる方それぞれが考えさせられる結末になっています」と愛之助。見合いの相手を見極めようと、二組の主従が入れ替わって巻き起こる大騒動、おおいに笑って暑さを吹き飛ばした後に訪れるのは、果たして…。
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新橋演舞場『もとの黙阿弥』は8月1日(土)から25日(火)までの公演。引き続き、大阪松竹座で9月1日(火)から25日(金)まで公演が行われます。チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて販売中です。