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歌昇、種之助勉強会「双蝶会」のお知らせ
8月24日(月)・25日(火)、国立劇場小劇場で、中村歌昇 中村種之助 勉強会「第一回 双蝶会」が開かれます。
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教えを受け、勉強させていただく会として歌昇と種之助、兄弟二人が初めて開く「双蝶会」。選んだのは『毛谷村』と『船弁慶』、大きな演目で大役に挑戦します。
選んだのは勉強したかった役
歌昇は、男としての人物像に引かれていたと言う『毛谷村』の六助。「愛嬌が求められ、時代だったり世話だったりと、さまざまな要素が詰まっています。強い男でいて親孝行で、優しさも大きさもある」と、憧れの役の魅力を語ります。「柔らか味も強さもないといけないですし、田舎の純朴な人であるとも言われます。たった一日でさまざまなことが起こるので、心の切替えとともに愛嬌や強さを出すところが特に難しいと思います」。
種之助は『船弁慶』の静御前と知盛の霊。「父(又五郎)の襲名披露(平成24年3月南座)で、憧れを持って見ておりました。大曲で皆が憧れる作品。静の踊りは舞に近い難しさがあり、後ジテの知盛は暴れてはいけない、と言われております。静から知盛への拵えが大変とお聞きしますが、父だけが“大変じゃないよ”と言うので、かえって今から心配です」と、苦笑も交えながら、初役挑戦の喜びを語りました。
ありがたい周囲の後押し
会を開くにあたっては、吉右衛門と藤間勘祖に相談しながらいろいろと決めていったと言います。「第一回なのだから、皆さんの力を借りたらと勘祖先生からご提案いただいて、先輩方にご出演のお願いに上がったところ、ご快諾をいただきました。本当にありがたいことです」と歌昇。『毛谷村』には芝雀と松緑、『船弁慶』には染五郎、そして又五郎も出演します。
「船弁慶をなさっている方に出ていただきたかったのですが、その二人が舞台で見ている…、なんでお願いしちゃったんだろう」と、こぼしたのは種之助ですが、その顔はにこやかです。「緊張、恐怖感もありますが、やはりうれしいし、ありがたさがあります」。歌昇も、「自分がかすんでしまう可能性もあり、すごくプレッシャーですが、せっかくの機会ですから全身でぶつかり、全力で稽古、勉強して少しでも教えていただいたことができるように」。
これからも続けていきたい
木の芽会や杉の子会といった若手の勉強会の話を吉右衛門や又五郎から聞き、歌昇は「やるべきことだとずっと思っていました。いろいろな方からやったほうがいいというお言葉もいただきました」と明かし、まずは会場を押さえたと言います。「決まってからはすぐにお稽古をお願いしました。やってみないと気づかないことをたくさん教えていただいています」と種之助。二人は、教えていただけることが何よりも自分たちの財産と言い、その財産を日頃の舞台に活かしていきたいと力強く語りました。
吉右衛門、又五郎を尊敬し、播磨屋の芸を継承したいと勉強を重ねている二人なので、歌昇は今後、「やりたいものはどうしてもかぶってしまうと思います。きっと互いに“やられた!”と言いながらやっていくでしょう」と言います。種之助は、「父に似ているとよく言われ、演目を選ぶときはやはり父のことも考えます。今回の『船弁慶』では、父が静の都名所のところで壺折に長絹を着るので、僕もそうしたいです」と、思いを述べました。
播磨屋一門の弟子とチームワークよく、会を続けていきたいとの思いもあり、まずは第一回の幕を開けるため、稽古の日々が続きます。
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中村歌昇 中村種之助 勉強会
「第一回 双蝶会」
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彦山権現誓助剱
(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
毛谷村
毛谷村六助:中村 歌昇
微塵弾正実は京極内匠:尾上 松緑
杣斧右衛門:中村 蝶十郎
大坪軍平:中村 蝶之介
堀口曽平太:中村 蝶三郎
お幸:中村 京紫
お園:中村 芝雀
新歌舞伎十八番の内 船弁慶 (ふなべんけい)
静御前/平知盛の霊:中村 種之助
舟長三保太夫:中村 歌昇
舟人岩作:中村 吉之助
舟人浪蔵:中村 又之助
武蔵坊弁慶:中村 又五郎
源義経:市川 染五郎
■日時
2015年8月24日(月)17:30開演
25日(火)13:30/17:30開演
■場所
国立劇場小劇場
東京都千代田区隼町4-1
■チケット
A席:9,000円 B席:8,000円(すべて税込)
2015年6月22日(月)10:00発売
チケットWeb松竹 ※チケットホン松竹でのお取扱いなし
燿の会 FAX03-5797-7440
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燿の会