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吉弥が語る「南座 歌舞伎鑑賞教室」
5月8日(金)~14日(木)、京都四條南座で行われる「第二十三回 南座 歌舞伎鑑賞教室」に出演する上村吉弥が、公演への思いを語りました。
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京都四條南座の 「歌舞伎鑑賞教室」に23回連続出演、つまり平成5(1993)年の第一回から出演している吉弥は、公演への思いもひとしお。「ここまで続くとは思いませんでした。感無量でございます」と喜びました。
初めての歌舞伎が「歌舞伎鑑賞教室」というお客様も多い
これまでの公演を振り返った吉弥は、「南座の歌舞伎鑑賞教室は私のすべて。この公演がなかったら、今の自分はなかったと思います。私にとっても勉強の場です」と、その特別な思いを語りました。
平成4(1992)年の顔見世興行で、菊五郎の『藤娘』を楽屋で毎日聞いていたとき、翌年の鑑賞教室の公演で『藤娘』をとの話が上がり、「もうびっくりしました。お客様が来てくださるだろうかと心配でしたが、初日の化粧をしていたら、お客様が長蛇の列で並んでいますよと教えてもらって…。今でも覚えています」。
同じく第一回から続いている桂九雀の解説については、「関西ならではの解説で楽しいですね。お客様の気持ちをほぐしてくださるので、舞台に出て行ったときにとてもやりやすい。客席がかしこまっていないので」とアピール。お客様が衣裳を着るなど歌舞伎体験の時間もあって毎回好評の解説ですが、近年は「歌舞伎ミュージアム」で舞台体験などに参加し、今度は実際に歌舞伎を観てみたくなって鑑賞教室にというお客様も増えているようです。
可哀そうなかさねに
『色彩間苅豆』のかさねは初役です。「南座では、歌右衛門さんが梅玉さん、三世松緑さん、團十郎さん(当時、福助、辰之助、海老蔵)と日替わりの与右衛門を相手に、かさねをされた顔見世の舞台(昭和52年)が目に残っています。あと、玉三郎さんのかさねも優美でした(昭和49年)」。
「因果は巡るというか、与右衛門は全部わかっていますが、かさねは最後まで何も知らずに可哀そう。怪談話ですが、怖いだけでなく、他人のために死ぬ哀れさが見えるようにしたいです」と、初役挑戦にも強い意欲を見せます。「南座では上演の少ない歌舞伎舞踊ですので、ぜひ、ご覧いただきたい」と、吉弥自らライフワークとも言う鑑賞教室を、一人でも多くの方に観ていただける公演にと意気込みました。
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最近は、以前に公演を見たお客様が子ども連れでいらっしゃったり、今年は何をやるのかと声をかけられることもあると、笑顔で語った吉弥。「この頃はお客様も席の取り方を工夫なさったりして、いろいろ楽しんでいらっしゃるようですよ」と、全席自由席ならではの「歌舞伎鑑賞教室」の楽しみも教えてくれました。
京都四條南座「第二十三回 南座 歌舞伎鑑賞教室」は5月8日(金)から14日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹にて販売中です。