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海老蔵が語る「吉例顔見世大歌舞伎」
11月1日(日)より、十一世市川團十郎五十年祭として上演される、歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」に出演の市川海老蔵が、公演への思い、長男堀越勸玄の初お目見得について語りました。
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祖父の五十年祭を行える幸せ
團十郎を襲名して3年余り、昭和40(1965)年11月に56歳の若さでこの世を去った十一世市川團十郎。今度の11月の歌舞伎座はその十一世を偲ぶ公演として、数ある当り役から『若き日の信長』と『河内山』を孫の海老蔵が演じ、『江戸花成田面影(えどのはななりたのおもかげ)』では曾孫にあたる堀越勸玄が初お目見得を果たします。海老蔵は五十年祭の公演を行えることがうれしいと、感謝とともに語りました。
『若き日の信長』は大佛次郎の2作目となる戯曲で、昭和27(1952)年の初演で信長を勤めたのが九代目海老蔵を名のっていた十一世です。十一世が生涯に5度勤めた信長役を、海老蔵が初めて勤めたのは平成11(1999)年4月御園座で、今回は3度目となります。『河内山』の河内山宗俊は、「古典の代表作をやっていく、日本の伝統文化を継承していくうえでは、早い段階からやっていかなければ」との思いで、この機に初めて挑戦します。
憧れの人、十一世團十郎
海老蔵は、16歳の頃にビデオで十一世の『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』の与三郎を見て、「こんなに格好いい人が世の中にいるのか」と思い、“歌舞伎人生を決めた”と言います。「会ったことはありませんが、憧れしかないので、好きなところを聞かれれば、姿、顔、声、怒りっぽかったといわれている性格まで全部好きです」。
五十年祭の興行を行うことは、生前の十二世團十郎の強い思いでもあり、「その思いを引き継いで」海老蔵は舞台に立ちます。「十一代目市川團十郎という人が、大きい男だったからこそ、父のような大きな男が生まれたんじゃないかなと思います」と、父を通しての祖父への思いも込め、五十年祭を多くの方に観ていただける公演にと意気込みました。
曾孫の堀越勸玄が初お目見得
2歳8カ月で初お目見得となる息子について海老蔵は、25日間歌舞伎座に来ることが第一と言い、「何事も経験、経験の場があることが幸せです。諸先輩方がお力添えをしてくださっての初お目見得。これも祖父、父のおかげだと思います。歌舞伎を代表する先輩方と一緒の舞台に出たことがゆくゆくわかったとき、歌舞伎役者を目指すならそのことがいい糧になるでしょう」。勸玄の出演する『江戸花成田面影』では、藤十郎をはじめ豪華な顔ぶれがそろいます。
家では歌舞伎十八番のせりふを言ったり、少しずつ歌舞伎に触れているものの、初めての大きな歌舞伎座の舞台でお客様にお目見得する今回は、「歌舞伎らしい見得や踊りをするということは、今のところございません」とのことですが、すでに稽古は始まっており、「徐々にやっていければ」と、海老蔵は父親としての本音も明かしました。
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大勢の取材の記者に囲まれた中でも、名前を聞かれてしっかり「堀越勸玄です」と答える可愛らしい様子に誰もが笑顔になり、いつになく和やかな雰囲気に包まれた製作発表会見。孫と曾孫がそろって十一世團十郎を偲ぶ 歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」は、11月1日(日)から25日(水)までの公演。
チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて10月12日(月・祝)発売予定です。