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猿之助、中車が語る「吉例顔見世興行」
11月30日(土)から始まる今年の京都四條南座「當る午歳 吉例顔見世興行」は、大劇場で行われる「二代目市川猿翁 四代目市川猿之助 九代目市川中車 襲名披露」の最終公演となります。演目が発表となった8月29日(木)、出演の猿之助と中車が「吉例顔見世興行」の製作発表に出席しました。
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顔見世30年ぶりの『黒塚』で登場
襲名披露の演目として猿之助は『四の切』『黒塚』を上演します。「襲名では家に伝わるこの2演目を、大劇場のすべての月で演じ切れたことは、共演者ほか多くのお支えがあって初めてできたこと。『ヤマトタケル』を加えた3作品は三代猿之助の代表作だと僕は思っているので、それを1年半、演じ続けられたことは大変に幸せです」と、長きにわたる襲名披露の公演を感慨深く振り返りました。
「一生、この2本だけやっていきたいくらい」と、思い入れの強い2作品で臨む顔見世は、なんと9年ぶりの出演。また、顔見世での『黒塚』の上演は、昭和58(1983)年12月の三代目猿之助(猿翁)以来、30年ぶりとなります。「京都の街全体で支えてくださっているお祭り、大イベントの顔見世ですが、演じる者としては浮つくことなく勤め、一人でも多くのお客様に足を運んでいただき、楽しんでいただきたい」と、喜びとともに強く気を引き締めました。
初めての顔見世に臨む2役
中車は、今年3月に御園座で勤めた『ぢいさんばあさん』と、初挑戦となる『御浜御殿』で、初めての顔見世に登場します。「私にとっては、何から何まで初めてで大変なことが続くわけですので、相も変わらず一所懸命、精進してやっていくだけです」と神妙に、しかし力強い意志をもって顔見世に取り組む姿勢を見せました。
『御浜御殿』は富森助右衛門役で、「松嶋屋さん(仁左衛門)の胸に飛び込んでやらせていただこうと思っています」。再演となる『ぢいさんばあさん』の美濃部伊織は前回と同じ役ですが、相手役のるんを今回は扇雀が勤めます。「扇雀さんとご一緒させていただき、どのようにできるかはわかりませんが、前に一歩でも進めるように心して勤めてまいります」。どの公演も最大限にやることに変わりはないものの、この会見によって顔見世の大変さを「再確認」したそうです。
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なお、今年の顔見世では珍しい演目上演もあります。昭和11(1936)年11月の歌舞伎座で「三代目歌右衛門碑記念興行」の中で三世歌右衛門当り役の内『厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)』として上演したそれです。すべての演目と配役については、京都四條南座 「當る午歳 吉例顔見世興行」の公演情報をご覧ください。
チケットは前半分(初日~12月13日)が11月15日(金)、後半分(12月14日~千穐楽)は11月29日(金)より、チケットWeb松竹、チケットホン松竹にて販売されます。