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歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」初日開幕

歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」初日開幕

 

 

 5月2日(月)、歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」が開幕しました。

 「團菊祭」は、今年で80年の節目の年を迎えます。この公演は、九代目團十郎、五代目菊五郎の功績を顕彰するために昭和11(1936)年に始められたもので、途中幾度かの中断を経ながらも、5月興行恒例の祭典として愛されてきました。

 

 團菊ゆかりの俳優たちが顔をそろえる今月の歌舞伎座。

 

 昼の部の幕開きは、54年ぶりの上演となる『鵺退治(ぬえたいじ)』です。頭が猿、躰は狸、尾は蛇、手足は虎に似た鵺を退治するため、梅玉演じる源頼政が、大屋根の上で勇壮な立廻りをみせます。

 

 

 二幕目の『寺子屋』は、流刑となった菅原道真の子菅秀才をめぐる、松王丸とその妻千代、武部源蔵の苦悩を描いた名作です。松緑、菊之助、海老蔵の三人による、重厚な時代物をご覧いただきます。

 

  菊之助が初役で清心を勤める『十六夜清心』は、時蔵演じる十六夜と心中を決意する前半と、うって変わって悪党として生きることを選んだ後半の演じ分けがみどころ。風情ある舞台のなかに黙阿弥の名せりふが響きます。

 

 昼の部の幕切れの『楼門五三桐(さんもんごさんのきり)』では、菊五郎の久吉、團菊祭への出演が29年ぶりとなる吉右衛門の五右衛門の大顔合わせとなります。南禅寺山門で満開の桜を愛でる五右衛門と、そこに現れた久吉との対面を、歌舞伎味あふれる様式美でお楽しみいただく一幕です。 

 夜の部の『勢獅子音羽花籠』では、菊之助の息子の寺嶋和史が初お目見得となりました。父である菊之助とともに花道から現れた和史が、恥ずかしそうに顔を手で覆って舞台に登場すると、客席は微笑みに包まれました。菊五郎と吉右衛門、続いて菊之助がご挨拶をすると、幕が閉まる直前、客席に向かって手を振る和史に客席は大きく沸きました。

 

 夜の部の二幕目では、松緑の和尚吉三、菊之助のお嬢吉三、海老蔵のお坊吉三による『三人吉三』です。黙阿弥の七五調のせりふとともに、義兄弟の契りを交わす三人の盗賊たちの出会いを描きます。

 

 三幕目の『時今也桔梗旗揚(ときはいまききょうのはたあげ)』では、恥辱に耐え続け、ついには謀反の決意をする武智光秀(明智光秀)を、松緑が演じます。史実にも有名な物語を、歌舞伎ならではの世界観でご覧いただく重厚な一幕です。 

 

 夜の部の幕切れでは、舞踊の大曲「道成寺」を男女二人で踊る形式の『男女道成寺』です。鐘の供養に現れた美しい白拍子二人が、奉納の舞を踊るうちに本性をあらわしてゆく、華やかでみどころあふれる舞踊を、菊之助と海老蔵でご覧いただきます。

 歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」は、5月26日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売中です。 

2016/05/03