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【上演時間掲載】「松竹大歌舞伎 北京公演」に鴈治郎、芝翫、孝太郎出演
3月18日(土)~20日(月・祝)、中国で「松竹大歌舞伎 北京公演」が開催されることが発表され、出演の中村鴈治郎、中村芝翫、片岡孝太郎が公演に向けての思いを語りました。
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日中国交正常化45周年記念事業として、国際交流基金(ジャパンファウンデーション)主催により北京で歌舞伎公演を開催することが発表されました。
歌舞伎の様式美、ドラマ性、女方舞踊の魅力をたっぷりと
鴈治郎は、日中国交正常化35周年の折に、父、坂田藤十郎率いる近松座公演として中国4都市で歌舞伎を披露しており、「歌舞伎の公演としては3度目の中国でございます。今回、歌舞伎らしいドラマ性の高い芝居、『封印切』をさせていただきます。それが果たして中国の方にどう受け入れてもらえるのか、と思いましたが、10年前は『傾城反魂香』を中国の方に喜んでいただけました。今度は家の芸である玩辞楼十二曲をどうご覧いただけるか、楽しみにしております」と、意気込みを見せました。
芝翫は『鳥居前』で、「荒事の醍醐味があります」という昨年、初役で勤めた忠信実は源九郎狐を演じます。『封印切』では、「こよなく好きな役」の八右衛門。関西弁が難しいけれど、「中国は文化も芸術もたいへんに優れた国でございます。言葉が違っても、ちゃんとした関西弁を使えるように勉強させていただく。そのうえで、鴈治郎の兄さんをみっちりいじめたいと思います」と語って、会場を沸かせました。
孝太郎が見せるのは女方の人気舞踊『藤娘』。「歌舞伎のお稽古で最初にするのが舞踊。いわば基本中の基本です。基本的なところにある美しさ、日本の美、衣裳の美しさなどを見ていただければ」と言い、「中国の京劇にも男の人が女の役をなさることがあります。その方たちに負けないよう、少しでも素敵な舞踊ができるようにと思っております」と、出演への熱意のほどを述べました。
日中国交正常化45周年のプロジェクトのよい先駆けとなるように
鴈治郎は、『封印切』で心中という「来世で添うために男女が死ぬ、それがどう受け取られるかわかりませんが、“純愛”と受け取ってもらえれば」と、日本文化を理解していただくことの大切さに触れました。さらに、「中国の方に日本人の心や人とのつながり、そういったものを芝居を通じて感じていただき、日中国交正常化45周年のプロジェクトのよい先駆けとなるような歌舞伎公演になればと思います」と、公演への意欲を語りました。
芝翫は、父の七世芝翫が日中文化交流協会の副会長だったときにたびたび訪中していたことに触れ、「このたび芝翫になった僕に、父親が挨拶をして来いと言っている気がいたします」と話し、鴈治郎、孝太郎だけでなく、「壱太郎さんやうちの息子の橋之助、福之助という次の世代も一緒に行って芝居をする。大一座だと思います。ゆくゆくは中国公演が定番になり、中国にも歌舞伎座ができるくらいの気持ちで勤めたい」と、今回の公演に自らも大きな期待を寄せました。
そして、日中の友好に大きな使命を担う公演へ、鴈治郎、芝翫とともに出演することを喜ぶ孝太郎は、「在中の日本人の方はもちろん、やはり、できるだけ多くの中国の皆様に歌舞伎を見ていただけたら幸いです」と、海外公演の意義をあらためて胸に刻むように語りました。
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「松竹大歌舞伎北京公演」
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『義経千本桜』「鳥居前」(よしつねせんぼんざくら とりいまえ)
佐藤忠信実は源九郎狐:中村 芝翫
静御前:片岡 孝太郎
逸見藤太:中村 福之助
武蔵坊弁慶:中村 橋之助
源義経:市川 門之助
玩辞楼十二曲の内 『恋飛脚大和往来』「封印切」(こいびきゃくやまとおうらい ふういんきり)
亀屋忠兵衛:中村 鴈治郎
傾城梅川:中村 壱太郎
井筒屋おえん:上村 吉弥
槌屋治右衛門:市川 門之助
丹波屋八右衛門:中村 芝翫
『藤娘』(ふじむすめ)
藤の精:片岡 孝太郎
■日時
2017年3月18日(土)~20日(月)
13:30/19:00開演
※20日(月)は19:00公演のみ。開演時間が当初より変更になりました。
【13:30開演】 | |
「義経千本桜」鳥居前 | 13:30~14:15 |
〈幕間 30分〉 | |
恋飛脚大和往来 玩辞楼十二曲の内「封印切」 |
14:45~15:50 |
〈幕間15分〉 | |
「藤娘」 | 16:05~16:25 |
【19:00開演】 | |
「義経千本桜」鳥居前 | 19:00~19:45 |
〈幕間 30分〉 | |
恋飛脚大和往来 玩辞楼十二曲の内「封印切」 |
20:15~21:20 |
〈幕間15分〉 | |
「藤娘」 | 21:35~21:55 |
■場所
北京天橋芸術中心 中劇場
北京市西城区天桥南大街9号楼