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「平成中村座スペイン公演」熱狂の開幕け
6月27日(水)、スペイン カナル劇場で「平成中村座スペイン公演」が開幕、中村勘九郎、中村七之助、中村鶴松と片岡亀蔵が、『藤娘』『連獅子』を上演しました。
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平成中村座が再びヨーロッパに帰ってきたスペイン公演。マドリードで初めての平成中村座、初日の客席は幕が上がる前から熱気を帯びていました。時間となって客電も落ち、真っ暗な劇場に長唄が聞こえてパッと明かりがつくと、舞台の中央には七之助の艶やかな藤の精。と同時に大きな歓声が上がり、『藤娘』のチョンパの演出で、一気にスペインのお客様が舞台の虜になりました。
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幕間のロビーはお客様の興奮冷めやらぬ話声で活気にあふれ、熱心に語り合う様子も見られました。続く幕は『連獅子』。勘九郎が平成中村座で初めての親獅子を見せます。仔獅子は鶴松、初役です。
先ほどとは打って変わって、厳かな空気が舞台を引き締め、狂言師の一挙手一投足に客席の視線が集中します。所作板を踏み鳴らす音が場内に響き渡り、その迫力にスペインのお客様も圧倒されていました。狂言師が引っ込み、宗論では亀蔵と小三郎の軽妙な掛け合いに笑いが起こります。雰囲気を一瞬にして変える歌舞伎の演出は、言葉の壁を簡単に乗り越えてしまったようです。
そして、後ジテの獅子の精が登場すると、歌舞伎で最もポピュラーといってもいいその姿に、拍手が起こり、豪快な毛振りに驚きからやがて感動へと、歓声がいつまでも続きました。幕が閉まっても鳴りやまない喝采とカーテンコールが続き、感動の拍手に包まれながらようやく初日の幕を降ろした、日本スペイン外交関係樹立150周年「平成中村座スペイン公演」。公演は7月1日(日)まで続きます。
2018/06/28