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歌舞伎座の起工式が行われました
10月28日(木)、2013年春に開場予定の歌舞伎座の起工式が行われ、神事には歌舞伎俳優や、工事関係者、松竹関係者らおよそ100名が出席し、工事の安全を祈願しました。
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神事に続いて行われた直会(なおらい)では、松竹株式会社 代表取締役会長・株式会社歌舞伎座 代表取締役社長 大谷信義が、「明治22年、ここ銀座木挽町に初代歌舞伎座が開場して以来、第二期、第三期、第四期と、さまざまな歴史を刻みつつ、多くの名優たちの舞台とともに、歌舞伎の殿堂として歩んで参りました。歌舞伎座の建替えは、単なる劇場の改築工事に止まらず、銀座の上質な町並みの継承、文化の発信拠点など、さまざまな大きな意味を持つ事業であると確信しております。今回の建替えにより、未来永劫、歌舞伎座が存続できますよう、また、地域と一体となって、今後も発展して参りますよう、皆様方にご支援を賜りたくお願い申し上げます。」と挨拶。
続いて、松竹株式会社 代表取締役社長 迫本淳一が、「新しい歌舞伎座は、歌舞伎の殿堂そして、銀座のランドマークという、両方の面を兼ね備え、さらに第四期歌舞伎座の顔を残しながら、オフィスビルを併設するという、新しい設計に挑戦して参ります。伝統を継承しつつも、新しいものに挑戦するという「歌舞伎」の精神と同じような気持ちでこの建設に取り組む所存でございます。これからがスタートでございます。皆々様のご協力、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。」と挨拶。
さらに、(社)日本俳優協会 中村芝翫会長が、「歌舞伎座は近代歌舞伎の歴史そのものでございます。歌舞伎はいまではユネスコ世界文化遺産に指定され、世界中で高く評価されています。そこに至るまでに、歌舞伎座の果たした役割は誠に大きいものと存じております。今、第五期歌舞伎座が新しい歴史の第一歩を踏み出す起工式に臨みまして、私たち俳優も深い感銘と期待に胸が高鳴る思いでございます。新しい歌舞伎座完成の暁には素晴らしい舞台をお目にかけるよう、一層芸道に精進して、後継者の育成に力を尽くす所存でございます。」とご挨拶されました。
式に出席した中村吉右衛門は「新しい歌舞伎座で、先人が積み上げてくれたものを受け継ぎ、皆様方に楽しんでいただける演劇ができましたら幸せです。」と述べ、また、中村勘三郎も「これからいよいよ建つな、という感じがいたします。早くこの歌舞伎座の舞台に立ちたいなと思っています。」と感想を述べていました。